誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(56):★デッサウ Dessau -2-

★デッサウ Dessau -1- からの続きです

まずデッサウの場所を確認しておきましょう。前章でご紹介したロスラウからローカル列車で一駅、エルベ川を越えたところにあります・・・と言ってもロスラウの非知名度が★★★なので意味のない情報ですね(笑)

ベルリンからほぼ直線で南西に 120kmほど、クルマで 1.5時間とあります。鉄道でも概ねそんなもんです。ザクセン=アンハルト州の州都マクデブルクから南東に約 60km、ザクセン州のライプツィヒからも北北西に約 60kmくらいのところにあります。例のバウハウスの建物は駅から歩いて 10分くらいのところにあるので、ベルリンに行ってちょいと日帰りで・・・というのは余裕で可能です。

次にデッサウの歴史上の位置づけですが、1871年に成立したドイツ帝国の構成国としてのアンハルト公国Herzogtum Anhalt)の州都だった町です。

「ドイツ帝国」というと強大な中央集権国家をイメージしがちですが、実際にはプロイセン国王をドイツ皇帝として戴く連邦国家で、アンハルト公国もその構成国の一つでした。

今回の 2022年 5月~6月のドイツ放浪の旅の密かなテーマの一つは「ドイツ帝国構成国の州都だった町をコンプ(全都市制覇)する」というのがありまして、ここまで Bad Arolsen、Sondershausen、Rudolstadt、Gera、Greizなどを回ってきて Dessauに辿り着きました。この先、もう一都市を訪問すればコンプです。さてどこでしょう?(笑)

独語 Wikipediaのアンハルト公国に関する記述を DeepL翻訳しておきます。

「アンハルト侯国は、1212年以降、(ずっと後にそう呼ばれることになった)アスカニア家の遺産を分割して発展してきた。今日確認できる「アンハルト候」という称号は、1215年にアンハルト候ハインリヒ 1世が初めて使ったという記録がある。アンハルトの名は、ハルツゲローデ(Harzgerode)近郊にあるアスカニア家の祖先の城、アンハルト城に由来している。しかし、アンハルト侯爵の称号を、国や住民、そのアイデンティティへの浸透を決定的にしたのは、おそらく近世になってからである。アスカニア(家)という名前は、元を辿ればアッシャースレーベンの家の居住地(ラテン語でAscaria)から来ている。この地はザクセンの 7つの領地の一つとしてザクセンシュピーゲル(中世ドイツで広く用いられた法書)に記載されている。その後、アンハルト候国は、アンハルト・アッシャースレーベンアンハルト・ベルンブルクアンハルト・デッサウアンハルト・ケーテンアンハルト・ツェルブストなど、何度も世襲によって分割された。(註:リンクを張った町は既訪問でリンク先に記事があります)

アンハルト候国は 1570年に初めて統一されたが、1603年には再びアンハルト・ベルンブルク、アンハルト・デッサウ、アンハルト・ケーテン、アンハルト・ツェルブスト(1611年にはアンハルト・ベルンブルクの分割によりアンハルト・プレッツカウ)の小国に分割されていた。1665年、アンハルト・プレッツカウ侯爵家は、アンハルト・ケーテン公国が消滅した後、これを引き継いた。同時にアンハルト-プレッツカウ候国はアンハルト-ベルンブルクに復帰した。

1797年、ツェルブスト出身の家系が途絶えたため、アンハルト・ツェルブストは他のアンハルト公国と分割された。1806年、最後の神聖ローマ皇帝フランツ 2世によって、アンハルト・ベルンブルク候が「公爵」を名乗る権利を与えられた。 1807年、残るアンハルト・デッサウとアンハルト・ケーテンの2つの候国(Fürstentum)はナポレオン 1世によって公国(Herzogtum)に昇格し、1807年 4月 18日にライン同盟に参加した。解放戦争終結後、主権小国家としてドイツ連邦の一員となった。」

例によって、アスカニア家の領土も相続で分割・併合・再分割・・・などが繰り返されます。この詳細を書き始めるとなんだかゴチャゴチャして読む気力を削がれがちですが最終的には:

アンハルト=ケーテン公国は1847年に、アンハルト=ベルンブルク公国は1863年に、それぞれ継嗣なく絶え、その所領はアンハルト=デッサウ公レオポルト4世が受け継いだ。これによりアンハルト諸国が統合され、1863年にアンハルト公国が成立した。北ドイツ連邦への加盟(1866年)を経て1871年にドイツ帝国の構成国となった

・・・ということで、1871年のドイツ帝国成立時に存在していたアンハルト公国の首都(=レジデンツシュタット:侯爵・侯爵の居館がある町)がデッサウという話です。

★デッサウ Dessau -3- に続きます

関連記事

ページ上部へ戻る