誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(90)★★★パーゼヴァルク Pasewalk -9-

★★★ パーゼヴァルク Pasewalk -8- からの続きです

WOOLWORTHの隣にアイスクリーム屋があったので、ちょいと一休み!美味いですねえ、こちらのアイスは・・・

今では旧東独でも当たり前になったアイスクリームですが、かつては貴重品というか、大変な人気アイテムで店先には長い行列ができていたものです。おそらく売り出す時間帯なども限られていたのではないでしょうか・・・

下の写真は 1990年 4月、まだ東独が国家として存在していた時代の Ludwigslustという町の街角にあったアイスクリーム屋ですが、東西国境は開放されて西側の商品が手に入るようになってまだ日が浅かったころです。看板の左手にある地名票は「Kahl-Marx-Platz」とあるのが何とも言えないですね(笑)

Von Ephraim Stillberg – Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6869886

Von Ephraim Stillberg – Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6869865

ラートハウスはマルクト広場からはかなり離れた場所、駅の近くにありました。一般的にはマルクト広場に面しているんのですが、考えていれば中世以来の歴史的な建物が、今日の行政機関を収容するほどのキャパがあるはずはありません。ドイツの多くの町にあるラートハウスはその一部の機能を残しながらも、大部分は外部の近代的な建物や新たに建てられた Stadtverwaltungの建物に大部分が移されたと考えるのが自然です。町によっては歴史的なラートハウスは Altes Rathausという名前で象徴的に残され、儀式やレセプションなどに使われています。

この町の Rathausもマルクト広場からは移転し駅の近くに新しい建物を建設したものと想像されます。こういう事例は、Rathausを含めて町の大部分が破壊された旧東独、なかでも Mechlenburg-Voepommern州のこのあたりに多いように思います。例えば Neubrandenburgの Rathausなどもその一例かと思います。

さて、駅に戻って来ました

お!232型のディーゼル機関車です。通称「リュドミラ」というロシア女性のニックネームがついています。

LOKSCHUPPEN(Lokomotivschuppen)」というのは機関庫という意味ですが Psewalkの駅には LOKSCHUPPENという名前で宿泊・レストランやイベントなどが可能な複合施設があります。公式サイトはこちら。 市のサイトはこちら。 Mechlenburg-Voepommern州の観光サイトはこちら。

さてこれで Pasewalkを終わりますが、ここも 1945年 4月末、最早第二次世界大戦の大勢が決した後に、ソ連赤軍によって徹底的に破壊されてしまったところから、社会主義体制に組み込まれたなかでなんとか再興を果たし、東西統一後は西側の資金を得て更なる復興を目指したものの、人口は統一直後と比較して 2/3のまで減ってしまい、出ていくのは若い世代で残るのは高齢者世代で活気を失っていく・・・旧東独の多くの中小都市が辿った典型的な運命をなぞっているように見えるのです。

最後に YouTubeの画像を拾っておきます。やはりというかなんというか、所謂街歩き系の動画は見当たりません。ここでは 1993年、統合からまだ間もなくの動画と LOKSCHUPPENの様子を紹介した動画をアップします。

Pasewalk 1993(11:08)

Lokschuppen Pasewalk | NDR | 2018(2:58)

★★★ パーゼヴァルク Pasewalk の章を終わります

シリーズ:誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte に戻ります。

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