- 2020-2-29
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第5回目もザクセン・アンハルト州の小都市「アシャースレーベン Aschersleben」、アンハルトのシリーズを続けます。近くの世界遺産の町クヴェードリンブルクなどとは違い特段の観光名所があるわけではないので日本人向け観光ガイドにはまず載らない町です。歴史に関心のあるドイツ人には知られているかもしれませんが、まあ聞いたことはあるかな程度でしょう。人口は第4回のバレンシュタットの約3倍あります、というわけで「知られていない度」では★2つ半というところですが、切り上げて★★★を付けておきます。
町の公式サイトはこちら。
Wiki(独語版)はこちら。
なお「オシャースレーベン Ochersleben」という似たような名前の町がありますが、そちらはモータースポーツのレース場があるので知られています。またこのあたりには「レーベン -leben」という語尾を持つ地名が数多くあります。
Wappen | Lage | Data |
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ドイツ語の Wikiによると「11世紀に、この都市はアスカニア家の手に渡りました。アスカニアという名前は、Burg Ascherslebenのラテン語形である Ascaniaまたは Aschariaに由来し、末尾の -lebenは省略されています」とあります。すなわちアスカニア家の家名の発祥の場所ということになるのです。
Von Sir Iain – Eigenes Werk, CC BY-SA 4.0, Link
なお「レーベン -leben」という語尾は、独語の Wikiによれば「-レーベンは、ドイツの地名の構成要素であり、特にニーダーザクセン州東部、ザクセン=アンハルト州、テューリンゲン州で頻繁に登場します。 地方の高地ドイツ語の部分-lebenは、中低地ドイツ語ではほとんど-leveでしたが、東ウェストファリア語では-lewwe / -lebbeと-lä/ -leeの変形があります。スカンジナビアにも同じ意味の地名の末尾が存在します。デンマーク語では名前の一部は-levで、スウェーデン語では-lövです」、「-levまたは-lövの基本的な意味は『残されたもの、残されたもの』(「残す」の英語 leaveに対応)であり、そこから「継承」という意味が生まれました。 どちらの場合も、地名の最初の部分は、人、つまり何かを残した人や何かを引き継いだ人を指すことができます」、「もともとスラブの地名のドイツ化:ソルブ語の分野では、スラブ語の語尾-slavが既存の中低ドイツ語の語尾-leveまたは中高ドイツ語の語尾-leibeにしばしば適応されました。したがって、地名のBlattersleben, Jersleben (Kreis Wolmirstedt) 及び Pripsleben (Kreis Demmin, Vorpommern)ソルブ語の地名*Bratroslav’, *Jaroslav’ und *Pribyslav’に由来します。」・・・という解説があります。
他に「Die ältesten Ortsnamen mit der Endung -lev oder -löv könnten aus der Zeit der Völkerwanderung stammen.[1] Eine große Zahl von -leben-Orten gibt es in Ostfalen (vor allem zwischen Helmstedt und Magdeburg), wie Eilsleben, Dreileben, Aschersleben, Ausleben, Ohrsleben, Wefensleben, Ingersleben, Alleringersleben, Ostingersleben, Morsleben, Bartensleben, Irxleben, Erxleben, Grasleben, Uhrsleben, Nordgermersleben, Eichenbarleben, Groß Rodensleben, Rottmersleben, Hötensleben, Hohendodeleben, Eimersleben, Haldensleben, Hillersleben, Jersleben, Barleben, Fallersleben, Wanzleben, Ottersleben, Wetzleben, Domersleben, Dedeleben, Ingeleben.
Ebenfalls weit verbreitet ist -leben im Thüringer Becken (z. B. Ebeleben, Elxleben, Merxleben, Walschleben, Grabsleben). Insgesamt gibt es in Sachsen-Anhalt etwa 70 und in Thüringen etwa 50 Gemeinden, die auf -leben enden.」と、ザクセン・アンハルト州に約 70、テューリンゲンに約 50存在します。
また「中世後期、アシャースレーベンはハンザ同盟のメンバーでした。非常によく保存された都市の要塞と中世からの大部分が無傷の旧市街があるという点ではドイツで数少ない都市の一つです。」とあります。確かに戦災で廃墟化したところから再興したという感じはないですが、ちょっと褒め過ぎのような(笑)。
この町は2018年と19年、2度歩いたことがあります。歩いたルートと画像をアップします。
2018年4月は「ケーテン Köthen」からバスで駅に到着し、そこからマルクトを通って St.Stephani教会までを往復しただけだったようです。
2019年5月はバレンシュテットからバスでアプローチし、少し広範囲を歩き回ったようです。
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