誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(53):★★★ゼンマァダァ Sömmerda -1-

テューリンゲン州の州都エアフルトから近い「ゼンマァダァ Sömmerda」をご紹介します。

ドイツ語に関わったことのない方は、字面からは「ゾメルダ」などと発音してしまいがちですが「ö:オー・ウムラウト」なので「オとエの中間のような音」となり発音としては「ゾェンメァダ」とでも書く方が少しばかり原音に近いかも知れませんが。また「r」の文字も -er-という並びだと「ラリルレロ」と明確には発音せず「ァ」というイメージです。ただ、これは私が北ドイツに長く住んでいたせいかもしれず、バイエルンあたりの人なら違うかもしれません。

いずれにしてもアルファベットとカタカナは別物なので、カタカナでどう表記するかにあまり細かくは拘らないことにします。一番いいのはその土地に行って、その土地の人がどう発音しているのかを聴いて、TPOに応じてそれを真似ることだろうと思います。ちなみにドイツ語サイトではこういう発音例がアップされています。これも土地の人が発音したものではなさそうですが・・・

あの大都市ライプツィッヒ Leipzigでも、地元の人の発音を聴いていると「レイプツィック」のように聞こえたりします。旧東独末期に、補修資材不足でボロボロになった Leipzigを採り上げた「Ist Leipzig noch zu retten?(ライプツィッヒはまだ救えるか?)」という有名なドキュメンタリーがありますが、その中で地元の人が「Keine Höffnung(希望は無い)」というのを「ケイネ ヘフヌンク」のように言っていたのが強く印象的に残っています。


場所はテューリンゲン州の州都エアフルトから鉄道(鈍行)で 20分ほど北に走ったところ、直線距離で 20kmくらいです。上の地図はクリックすると拡大しますが、エアフルトは私のような街探訪をする者には実に便利なロケーションにあります。赤丸で囲んだ地名は「誰も知らないシリーズで記事化した町」、青丸は「行ったことはあるがまだ記事化していない町・あるいは未踏の町」です。

今回の旅ではエアフルトに3泊したのですが、昼過ぎに到着して午後は市内を歩くつもりだったところ、夏時間で 22:00時近くまで明るいので「じゃ、この辺で手頃な町を一つ潰しておくか・・・みたいなノリでした(笑)非知名度は富士通の関係者以外には★★★が妥当でしょう(後述)

ちなみにローカル鈍行(RE)なので Sömmerdaまで 20分かかりますが、かなり離れているように見える Leipzig には ICEで行けば 45分ほどです。テューリンゲンの街歩きをしたいというモノ好きな方がおられましたら(いないか(笑))エアフルトに滞在するのがお勧めです。

独語 Wikipediaの冒頭には「Sömmerdaは、テューリンゲン州の同名の地区(Landkreis Sömmerda)の中心の町(Kreisstadt)である。エアフルトの北約 20kmに位置するこの町は、中規模の中心地で、ヨハン・ニコラウス・フォン・ドレーゼ(Johann Nicolaus von Dreyse)の機械工場を前身とする電気産業(東西ドイツ統一後に買収され「富士通テクノロジーソリューションズ」)の所在地であった。1840年以降、von Dreyseの機械工場はこの町に決定的な影響を与え、かつての小さな農村を工業の町へと成長させた」とあります。

私はあまり事前に下調べをしないというズボラ人間(それゆえに見逃しも多い)ですが、今回はたまたま暇だったのか、Wikipediaをちゃんと読んで行ったんです。その中の「Die Stadt blieb im Zweiten Weltkrieg unversehrt:第二次世界大戦中も、この街は無傷だった」という一文を見つけ「おお、ヨッシャ!」とワクワクしたものでした。「Die Stadt ist von der Zerstorung verschont geblieben:街は破壊を免れた」なんて文を見つけても同様です。

爆撃被災都市鑑定士(笑)の私にとっては、第二次大戦において爆撃・砲撃で受け破壊された町が、特に旧東独においてどういう形で復興されたかという「残念な事例」を数多く見てきました。なので、逆に旧東独で破壊を免れた町というのは貴重だしワクワクするのです。

Wappen Lage Data

独語 Wikipedia
市の公式サイト
テューリンゲンの観光サイト

★★★ゼンメァダ Sömmerda -2- に続きます

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