Büsingen(ビューズィンゲン):スイスの中にあるドイツの飛び地

イタリアのローマの中にある独立国「バチカン市国」や、イタリアの中にある「サンマリノ」のように、周囲をグルっとある国に囲まれた小国の存在はご存知かと思いますが、これと似ていて「周囲をグルっとスイスに囲まれたドイツの飛び地」というのが存在します。

以前に「ベルギーに囲まれたドイツの飛び地」をご紹介しましたが、あれは戦争で接収された鉄道線路の敷地がベルギーとして残りそこが国境となってドイツの飛び地が形成されたというものでした。今回ご紹介する Büsingen(ビューズィンゲン)はもうちょっとマトモな飛び地です(笑)。他にもこういう事例はいくつかあるので追々ご紹介していきます。

ザックリいえばスイスのこのあたり(赤いポインタ)南ドイツのボーデン湖の近くです

赤い線(国境線)で囲まれた白いエリアがドイツの Büsingenです。ドイツとは直接繋がっていません

Lage von büsingen im detail.svg
By Julian Fleischer aka Warhoghttp://www.buesingen.de/Bild.bues./Grafiken/grafikbuesgross.gif in SVG komplett neu umgesetzt, CC 表示-継承 3.0, Link

1700年頃のヨーロッパ中央部:細かい領邦国家が複雑に入り組んでいるのが分かります

何故こんな飛び地ができることになるのか?Büsingen(ビューズィンゲン)固有の経緯はさておき、ヨーロッパ中央部はそもそも飛び地だらけだったという歴史的背景があります。上の地図は 1700年頃の神聖ローマ帝国領を中心とした地図ですが、現代のような近代国家が成立する前は、こういう領邦国家(Territorialstaaten)と呼ばれる国家が複雑に入り組んで存在していたのです。

そしてそれが後継ぎがいなくなると近隣の領邦国家に併合されたり、婚姻や分家の経緯で領土を与えられて分割されたりということを繰り返し、そもそも飛び地が出来やすい背景があったことは理解しておく必要があります。

Büsingen(ビューズィンゲン)固有の経緯については、日本語の解説があります。
Büsingen(ビューズィンゲン)固有の訪問レポートについても日本語のものがあります。
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