- 2022-7-5
- ブログ
★★★バート・アーロルゼン Bad Arolsen -4- からの続きです
さて、今日はお城に行くことにします。ホテルの目の前なので楽勝(笑)折角なので周辺も歩いてみることにします。
何気なく「お城」と書いてしまいましたが、ドイツ語でそれに対応するのは「Schloss(シュロス)」或いは「Burg(ブルク)」ということになるのでしょう。多少の誤解を承知で言えば、後者は戦いの為の拠点としての「城」というニュアンスがあるのに対して、前者は「王侯貴族の居館・宮殿」というニュアンスです。逆に日本には「宮殿」という言葉はそもそも存在していなかったはずで、「城・お城」というと・・・天守閣があり、いざとなればそこに籠城もできる「戦いを前提とした施設」というイメージがあります。
この章の冒頭にも書きましたが、ドイツ語の「(das)Reich」を「帝国(皇帝を君主として戴くイメージ)」と邦訳してしまったが故に、皇帝が退位してワイマール共和政になったのに、国名は何故「Deutsches Reich:ドイツ帝国」のままなんだ?という疑問に繋がったりします。あれも「Weimerer Repblik」をワイマール共和国と訳してしまったことによる混乱です。
最近の Wikipediaなどでは、こういう誤解を解消・少なくとも軽減しようとする試みとして Deutsche Reich(ドイチェス・ライヒ)を「ドイツ国」としている事例が増えているように思います。それはそれで結構なことですが・・・では神聖ローマ帝国 Das Heilige Römiche Reich(Heiliges Römisches Reich)を、今更「神聖ローマ国」って訳しなおすか?というのも違うように思います。
この話題は、深入りすると収拾がつかなくなります。Nation,Staat,Volkをそれぞれどう訳すか?どういう日本語を当てはめるか?そもそも英独仏語でも正確な共通概念が共有されていないのが現状で、まして文化背景の異なる日本の言語を無理矢理対応させようという努力には無理があるように思います。
話は飛びますが、フランスの自転車レース「ツール・ド・フランス」の優勝者には名誉の「マイヨー・ジョーヌ」という黄色のジャージが与えらえます。あの色を見て日本人は「ジョーヌ」というのは「黄色:モンキチョウや菜の花の、あの黄色」に対応すると思い込みがちですが、例えばフランス語では、ハトロン紙の茶色っぽい封筒などの色も「ジョーヌ」というようです。
外国語・外国文化を理解しようとする際には、敢えて左脳的・論理的に日本語に一対一で結びつけようとせず、右脳的・感覚的に「まあ、ああいうものを、こういう単語で表すわけね」・・・と、懐深く受け入れるのがいいように思います。
前庭にはズラリと高級車が並んでいます。こういう高級車のオーナークラブのイベントのようです。ドイツでは、こういうイベントはよくありますね!ちなみにお城は「Maskenpflicht(マスク着用義務)」が課せられています。
★★★バート・アーロルゼン Bad Arolsen -6- に続きます