- 2020-5-19
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三十年前のドイツ(53):Erste Rundfahrt durch die DDR 初めての東独の周遊ドライブ ー8-からの続きです。
さて、バルト海の保養地の後、実は鉄っちゃんの私としては隠れ本命の「蒸気機関車が走る鉄道」を目指します。この周遊ドライブの企画を立てた時、かつて感光フイルム工場を東独・共産圏にプラント輸出を担当していた上司は、その頃の知り合いが居るライプツッヒ方面に行きたかったようなのですが、「それは次回にして、今回は取り敢えず近場の北部を廻りましょうよ」と説得・・・でも、その裏には、ここにどうしても行きたかったんです(笑)
「モリー(Molli)」というニックネームが付いている狭軌鉄道で、キュールンクスボルン(Kühlungsborn)が終着駅になっていますが、私は機関庫があるバードドベラン(Bad Doberan)を目指します。日本の旅番組などでも、ドベランの市街地を走るシーンがたまに取り上げられるので、ご存知の方は案外多いかもしれませんね。
これは旧東独のあちこちにある狭軌鉄道(Schmalspurbahn)のひとつですが、そもそも標準軌(2本のレールの間の距離・幅)が日本の新幹線と同じ 1435mmで、そこに対して「狭い軌道」という訳ですが、日本の JR在来線もドイツ基準では「狭軌」となります。日本基準で「狭軌」というと、今は絶滅してしまいましたが、かつては 762mm幅(2フィート6インチ)の軽便鉄道というのがあちこちに有ったのです。
ま、この手の蘊蓄に踏み込むと、高校で鉄研の部長を拝命していた私は止まらなくなるので(笑)、Molliに関して更に詳しく知りたい物好きな方は、こちら(独語Wiki)あるいは、 Molliの公式サイトをご覧ください。今は重要な観光資源となっており、絶滅してしまった日本の狭軌鉄道とはちがって幸せなことです。
↓↓ クリックするとスライドショーになります。
動画では、駅にいるだけではしゃいでいる私が映り、傷んだ駅名標が映ります。そしてやはり「ライプツィヒ方面」と書かれた案内板がアップで映ります。Zuschlagpfl.・・・普通は急行料金など追加料金・急行券などが必要という意味です・・・ひょっとしたら何か許可証でも必要だったんでしょうかね?
というのも、ロストックやエルフルト方面行の右側のプラットフォームにも同じように Zuschlagpfl.と書かれています(動画では不鮮明なので、上の写真を参照)。ローカル列車と遠距離列車が同じプラットフォームを使うように見えます。(鉄ちゃん的には)急行でなくてローカル列車を乗り継いでもライプツッヒやエルフルトには行けると思うのですが、ではなんで Zuschlagpfl.なんでしょう?
ここでは Zuschlagって、急行券ではなく移動の許可証かなんかのことかな?でも、それなら(アウトバーンの検問所にあったように)「Genähmingungen und Erlaubnisse」とかって単語使いそうだしな…これも今日まで謎のままです。
脱線しましたが、やがてソ連製のディーゼル機関車に牽かれた列車が到着し、乗降客でにぎわいます。そしてお待ちかね(笑)蒸気機関車がバックで入線し、客車を繋いで、やがて保養地の方面に走り去ります・・・ああ、この石炭が燃えるニオイ!最高やな~(笑)
なおバードドベランには有名な聖堂があります。ここにも立ち寄ったのですが・・・何故か写真が残っていません(笑)
Von Je-str – Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, Link
三十年前のドイツ(55):Erste Rundfahrt durch die DDR 初めての東独の周遊ドライブ ー10-に続きます。