- 2018-8-2
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E中隊が危機に瀕し、自らは大隊長となったウインタースは、本来は援護射撃に回るはずだったD中隊のスピアース係長を呼び、ダイク課長を救い、状況を打開するように命じます。実戦経験豊富で勇敢かつ頭脳明晰なスピアースは、直ちに状況を把握し、的確な指示を出し、かつ自ら先陣を切って、新たに任せられた課の部下を連れ、戦場に斬り込んでいきます。
しかも、最重要な局面で、彼は単身ドイツ軍の中に走り込んで行き、なにが起こっているのか把握できずあっけにとられて何もできないドイツ兵の中を突っ切って、別動隊のI中隊に連絡を取って再び生還するという離れ業をやってのけ、戦局を大きく打開する働きをします。これが奏功し作戦は成功、部隊は初期の目標地点を陥落させます。
まあ、感動的なストーリーです!スピアース、カッコ良過ぎかも(笑) 彼は、当初から捕虜を30人も殺したという噂があって敬遠されていましたが、それを気にも留めず、そんな噂を払拭するような活躍を見せます。転任したばかりの部署で、直ちに状況を報告させ、的確な指示を出して人心を掌握し、部下を連れつつも自分が先陣を切って敵陣に斬り込む・・・リーダーシップの手本のような働きをします。
かつ、最も重要で危険なタスクは、誰にも相談せず単身で奇策を実行し、それを成功させて生還します!事前に本社と相談してたら、時間がかかる上に、潰されていたかも!リスクアセスとかコンプライアンスチェックとかでね(笑) スピアース、半端ね~っ!(笑)カッコ良過ぎ、良過ぎ君(笑)
E営業課の生え抜きのリプトン係長は「この人なら生え抜きでなくても皆が付いていける!いや、付いていくように皆を纏めるのが自分の仕事だろう」と、裏方の役割に徹しようと思います。しかし、そんなリプトンの日頃の裏方仕事をちゃんと耳に入れていたスピアース!ウィンタースが出世して課から居なくなり、次に人望と経験のあったバック課長代理は、部下を二人を失ったことでメンタルダウンした・・・そんな困難な状況中で、皆を鼓舞し、目標を与えて、結果として人心を掌握していた。ダイク課長を変えてくれ・・・という部長への直訴だって、私心からしたことではないとスピアースは分かっていた。
それを理解して、彼を管理職に昇進させるべく、申請していた。リーダーシップとは、なにも表だってスーパーヒーロー的に目立つだけが唯一の在り方ではない!リプトンのようなのも立派なリーダーシップの在り方だと考えていた・・・やはり、どこまでもカッコいいスピアース(笑) まあ、でもリーダーシップの在り方は一つじゃないですね。上司が不在になった時、そこをちゃんと埋める働き・役割を果たした中間管理職リプトン、偉いです!
一方で、ダメ管理職(将校)のダイクがどうなったか・・・この話の中では明確な説明はありません。二か所それを暗示している場面は・・・一つは、リプトンの独白で「この戦いで、我々は二人の将校・・・いいのと、そうでないのとを失った(lost)」というもの。いいのとはバック・コンプトン少尉(課長)で、一心同体だった二人の部下を失いメンタルダウンした。でも戦死した訳ではないので、ダイクも戦死した訳ではないかも知れません。
もう一つは、負傷した同僚が、負傷しなかった同僚に背負われて野戦病院に戻る際、リプトンに「ダイクに関する噂を聞いたんだけど、ホンマでっか?」と問い、リプトンは軽く頷く。するとそいつは「神様も、たまにはいいことするよな(笑) Thanks God for small mercies !」・・いくつか解釈の幅はありますね。
戦死したにせよ、生き延びたにせよ、もう事業の現場には戻ってくることは出来ず、ここでこういう馬脚を現しては管理部門や企画部門でも管理職や役員として処遇されることはないでしょうね。やはり、本物のイノチが懸かって力そうな上司との繋がりをバックに、ナンチャッテ腰掛ポジションで、何の「対外的な戦果」も挙げずに出世していく・・・もし自分のことかな?と思い当たる人がおられたら、直ちに辞表を書かれることをお勧めします。
多分、定年まで逃げ切っても、転職にあたっては、もろに困難に直面することでしょうから・・・