誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte（20）：★★★プロープストツェラ Probstzella -4-

2021-2-17
ブログ

誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte（20）：★★★プロープストツェラ Probstzella -3-からの続きです

バウハウスというと真っ先に思い出すのは Dessauの校舎かと思いますが、ベルリンにもそのアーカイブがありますし、最近ワイマールにも記念館が開設されました。が、ここでご紹介するプロープストツェラのバウハウス様式のホテルはあまり知られていないかも知れません。

Von Störfix – Selbst fotografiert, CC BY-SA 3.0, Link

Haus des Volkes（人民の家）は 1925年から 1927年にかけて、地元の実業家 Franz Ittingの依頼によって、ホテル兼多目的ホールとして、Bauhausで建築を学んだ Alfred Arndtと Ernst Gebhardtによって建てられました。インテリアは Bauhaus Dessauの芸術家によってデザインされました。第二次世界大戦後、建物は税関として東独政府によって使用され、イベントホールでは様々な種類の公演やお祝いがありました。1970から 1971年にかけて、建物はレストランを拡張するために改装されました。1995年にこの家は歴史的建造物として指定され、2003年に建物の修復と再利用を目的とした民間の所有者に売却され、2005年末にレストランは再開されました。中には劇場とコンサートホールがあり、ドイツの「旧東西ドイツ国境を環境保護地区とする団体（Grünen Bandes Deutschland）の展示もされています。2014年以来、ジャーリストの Roman Grafeによって企画された、Franz Itting博物館があります。（Wikipedia独語版からの部分私訳）

ただこの部分は、現在（2021年 2月）は書き換えられており、下記のような記述となっています。

「プロープストツェラの Haus des Volkesは、社会改革派の実業家フランツ・イッテングによって 1925年から 1927年にかけて、アルフレッド・アーントとエルンスト・ゲップハルトによってホテルとコミュニティハウスとして建設されました。全体のインテリアは、バウハウス・デッサウのアーティストによって設計され、それはテューリンゲンで実現された最大のバウハウスのアンサンブルです。

1950年にイッテングの財産が没収された後、市と東独政府の税関がこの建物を使用し、赤いホール（下の写真）では様々な公演や祝賀会が行われていました。1970/1971年には建物の内部が改築され、別のレストランが追加されました。その間の廃屋とホテルパークは 1995年にモニュメントとして認定されました。どちらも 2003年に個人によって購入されました。リノベーションして、また本来の意味で使っているそうです。建物の一部を改修したことで、開発者は 2005年にドイツ・ファサード賞を受賞しました。 2005年末にはレストランがオープンし、2008年にはバウハウスホテルがオープンした。2016年からは、スマートフォンやタブレットを使った社内デジタルガイドツアーで家の歴史を探ることができるようになりました。」（www.DeepL.com/Translatorで翻訳しました。）

Haus des Volkesは、日本語では「人民の家」とか「大衆の家」とか「民族の家」とか、文脈によって様々な訳が可能ですが、創設者 Franz Ittingの想いは「コミュニティハウス」「みんなの家」的なものではなかったかと推察します。Franz Ittingは「社会民主主義者」だったため、ナチスの時代は迫害を受け投獄されますが、戦後は逆に東独政府から「資本家」として様々な迫害を受け投獄され、最後は財産を没収され隣接する西独のバイエルンに移住を余儀なくされるという過酷な運命を辿った人です。（次回、詳述しようと思います）

バウハウス運動に関心のある方、また東西ドイツの歴史に関心がある方は一度是非訪問をお勧めします。ホテルとレストランはいずれも非常にリーズナブルな価格です。

↓↓　写真は国境駅博物館が閉まっていた 2015年 5月のものです。おそらく、このあと更にリノベーションされたものと思われますが、この時点ではまだ装飾なども比較的簡素で、旧西ドイツの立派なホテルとはちょっと違ったテイストでした。背景はわかりませんが、ドイツのクラッシックな医療器具の展示などもありました。クリックするとスライドショーになります。