地名の研究 Ortsnamenanalyse (7) 北西型・低地型

地名の研究 Ortsnamenanalyse (6)からの続きです

定量データを活用して、特徴的な地名suffixの分布を分類しています。

北西型・低地型

北ドイツの中でも「エルベ以東」の PLZ 1の地域ではなく、PLZ 2に多く見られる地名suffixを集めてみました。スラブの影響ではなく、低地ドイツ語あるいはその地形に由来するような地名が多いかなという印象です。

このグループで最も多い -torfですが、-dorfの変形かと思っていました。が、Torf単体で「泥炭」という意味があり、低地・湿地という連想から「北西・低地型」としておきます。最も多いのは PLZ 2ですが次に多いのは PLZ 1で、こちらのいくつかは -dorfと同語源なのかもしれません。

次の-beckは -bachの変形と思われ、最も多いのは PLZ 1ですが、やはり低地・湿地からの連想で「北西型・低地型」にも入れておきます。

moor、Moor- の「Moor」は単体で湿地という、そのものずばりの意味があり、N数は少ないながら、その殆どが PLZ 2に集中していることから北西・低地型とします。

-husenは -hausenの訛と考えられます。

-wedelは N=7なので微妙ですが、他に分類する項目がないのでここに入れておきます。ハンブルク西部のエルベ川沿いに Wedelという S-Bahnの終点があります。また一番知られているのは、バウムクーヘンの街 Salzwedelでしょうか・・・

地名の研究 Ortsnamenanalyse (8)に続きます

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