- 2019-3-25
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そもそも都市は川沿いに発生して発展することが多いのですが(セーヌ川のパリ、テムス川のロンドン、ブルタヴァ(モルダウ)川のプラハなど枚挙にいとまがありません)、川が合流するところにも都市は発生し、それが発展する例は多く見られます。その一つがここバイエルンの Passauです。オーストリアとの国境の町でもあります。
Wikipediaから引用した下の写真では、左から「イン川 Inn(オーストリアのインスブルックという都市の『イン』の語源)」に中央の「ドナウ川 Donau」が合流し、更にあまり目立たないのですが、右から「イルツ川 Ilz」が合流しているのがわかります。それぞれが流れてきた土壌が異なるため、川の色が違うのが確認できます。
Von Hgmichna – Eigenes Werk, CC0, Link
下の動画は、上の写真の「イン川とドナウ川が合流する地点(岬のような場所)」で撮ったものです。
日本語版Wikipediaにはあまり詳しい説明がありませんが、教会オルガンとしては世界最大のパイプオルガンを有する聖シュテファン大聖堂があり、アウクスブルクの和議へと至る流れを決定付けた、「パッサウ条約」の舞台でもあることから、宗教史上では重要な役割を果たした町です。
17世紀後半に、2度にわたる大火災に見舞われ街は灰燼に帰したとのことですが、その後バロック様式の建物が建てられ、第二次大戦での破壊を免れたことから、旧市街の街並みは中世の雰囲気が残っています。
個人的には、中学生の頃にウチに配本されてきた河出書房の文学全集で読んだ「ドクトル・ビュルゲルの運命(Die Schicksale Dr.Buergers)」や「美しき惑いの年(Das Jahr der schoenen Taeuschungen)」などの作者ハンス・カロッサが住んでいた町として五十年来気になっていた町で、漸く訪問することができたと感慨ひとしおではありました。
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「Passau パッサウ:Dom St. Stephan 聖シュテファン大聖堂」に続きます