誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(52):★★★バート・ケストリッツ Bad Köstritz -4-

★★★バート・ケストリッツ Bad Köstritz -3- からの続きです

黒ビールで有名な醸造所と併設されている居酒屋がありますが、そこには帰りに寄るとして、まずは町の中に向かいます。

この日、2022年 5月 26日(木曜日)は「Christi Himmelfahrt(昇天祭)」の祝日で、本来は宗教的な意味を持つ日です。が、ドイツ語圏では「Vatertag 父の日」とも位置付けられており、そこから転じて「男の日 Herrentag、Männertag」と拡大解釈され、男どもがビールを飲んでドンチャン騒ぎをする日(してもカミさんからお許し頂ける日(笑))みたいな感じになっています。

独語 Wikipediaには「ドイツで人気の父の日は、復活祭の 40日目である昇天祭の日に祝われる。特に無神論者の多いドイツ東部では、宗教的な内容よりも飲酒に焦点を当てた風習が多く、「ヘレンターク Herrentag」とも呼ばれている。ザクセン州、ザクセン=アンハルト州、テューリンゲン州、ブランデンブルク州の一部では、「男性の日 Männertag」という言葉も使われる。

現在の父の日の形は、19世紀末にベルリンとその周辺地域で生まれたもので、ビール会社の企業家が経済的な利害から始めたと考えられている。1934年から、ドイツでは昇天祭が祝日となった。ドイツ民主共和国では、1966年から 1990年までは祝日であったが、この日にヘレンターク・パーティーを開くことができるように、さまざまな工夫が凝らされた。例えば、宗教団体のメンバーは、雇用主から認められている限り、祝日を祝う権利を持っていたし、それが可能であった。

ドイツでは、その間、国民の大部分とメディアにおいて、父の日のお祝いが、昇天祭の祝日をキリスト教・宗教的な祝日とする認識を駆逐したように見えるにもかかわらず、ヘレンタグ・シュパーティーというドイツ特有の習慣に対する批判もある。

  • 他の多くのヨーロッパ諸国や非ヨーロッパ諸国の父の日や母の日が、子供たちの生前の働きに感謝することに重点を置いているのに対し、ドイツでは父親や男性が主に自分自身を祝う「メンズデー」のパーティーを行い、自分たちのために何か良いことをしたいと考える。
  • このように、昇天祭の日付は、1500年以上の歴史を持つ宗教的祝日を、わずか 100年の歴史しか持たない飲酒儀礼に置き換え、その過剰さとそれに伴う交通事故率の著しい上昇などの結果をもたらしているのである。
  • ヘレンタインパーティーによって、男性の同盟や過度のアルコール摂取、また女性や子供の排除という時代遅れの男性像が固められつつある。

しかし、よく言われるこのステレオタイプは、祝杯を挙げる男性の一部にしか当てはまらない。多くの男性にとって、父の日は妻や子供と一緒に祝う家族の日である。昇天祭には、多くの村で村祭が開催される」・・・という、ちょっと辛口の解説があります。

「特に無神論者の多いドイツ東部では、宗教的な内容よりも飲酒に焦点を当てた風習が多く・・・」とありますが、左は 1990年のメクレンブルクの田舎、上は 1991年のザクセンのゲルリッツという町で、いずれも5月の昇天祭の日の写真です。確かに旧東独が存在していた時代や統一直後の東独で、こういう習慣を確認していました。

最近では馬車に代わってこういう乗り物(Bierbike:ビアバイク)も人気があるようです・・・しかし、飲酒運転にはならないのか?ちょっと気になりますね(笑)

★★★バート・ケストリッツ Bad Köstritz -5- に続きます

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