ドイツ:領土の変遷 「失われた故郷:Die verlorene Heimat」

ドイツ人の意識の中では、1871年に成立したドイツ帝国の領土が「概ねドイツ本来の領土」という意識があるように思われます。

1900年のドイツ帝国と2018年現在のドイツ連邦共和国を重ねてみました

第二次世界大戦の結果、ドイツ帝国はその領土を大きく失い、東西に分割され、それがまた統合された訳ですが、統合された現在のドイツ連邦共和国と、ビスマルクの働きによってウィルヘルム皇帝によって成立したドイツ帝国との「領土の差分」(失われた領土)はこの地図の紫の部分になります。

特に東側にある「ポメラニア Pomerania(英):ポメルン Pommern(独)」・「シレジア Silesia(英):シュレジエン Schlesien(独)」・「東プロシャ East Prussia(英):オストプロイセン Ostprussen(独)」は、ドイツ帝国成立前からドイツ語を話す人たちが多数を占めていた地域ですが、第二次大戦末期にソ連赤軍の攻勢によって、そこに永年暮らしていたドイツ系住民は追い出され、現在のドイツ領への移動・移住を強制されました。ドイツ語では Vertreibung(フェアトライブンク)と言います。

何百年も前からそこに居たのと、戦前に入植したのとを並べるのは無理があるのですが、敢えて乱暴に例えればその人達は「満州引揚者」というような境遇で、今も「同郷者連盟」を各地に組織し、なにかの記念日には集まって昔を偲ぶイベントを催しています。もっとも、かなり高齢化が進んではいますが…

これらの地域に関しては「Unvergessene Heimat:忘れがたき故郷」などというタイトルで、数多くの写真集や書籍が刊行されています。個人的には、この地域を、ドイツの面影を求めて旅行するのが好きなんです(笑)

Pommern

Schlesien

Ostpreussen

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