誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(21):★★★バート・ザルツンゲン Bad Salzungen -2-

★★★バート・ザルツンゲン Bad Salzungen -1- からの続きです

前回は紹介しませんでしたが、この町の目玉といえば「グラディアヴェルク Gradierwerk」と呼ばれる製塩設備でしょう。現在は製塩は行われてはおらず、保養施設となっています。このタイプの設備から発生する塩分を含んだ空気が喘息などの呼吸器系の疾患に効果があるということで、塩分を含む地下水から製塩をする伝統のある町の多くには、この Gradierwerkを活用した保養施設や公園(Kurpark)があります。

この写真だけでは分かり難いと思われるので、独語 Wikipediaから、構造が分かり易い Bad Kösen(ザクセン=アンハルト州)の Gradierwerkの画像を下に引用しておきます。

Bad-Kösen-Gradierwerk.JPGCC BY-SA 3.0, Link

また日本語の Wikipediaにもグラディアヴェルクの解説があるので下に引用しておきます。
「グラディアヴェルク(ドイツ語: Gradierwerk、もしくは Leckwerk)は、塩を含んだ温泉などの塩水からミネラル塩の濃度を下げ、水を蒸発によって飛ばし塩を製造する施設である。この施設は、壁のような木製の枠と枝(一般的にスピノサスモモ)の束からなる。この枝は、時が経つとともにミネラル塩に覆われるため5-10年毎に交換する[1]。ミネラルは枝にとどまり、塩分が濃くなった塩水(鹹水)は下に溜まる。そして塩釜で最後の水分を飛ばして製塩する。また、この施設周辺はミネラルを含んだ潮風と同様に健康に良いとされ、観光客が健康目的で訪問する。クアパーク(ドイツ語版)と呼ばれる湯治施設が併設されることがある。」とのことです。

Bad Salzungenの最初の Gradierwerkは 1590年に建てられました。1800年までに、ヴェラ川(Werra)の両側に、塩を抽出するための 24の Gradierwerkが建てられました。1800年からのスパの設立に伴い、Gradierwerkは現在の東壁まで取り壊されましたが、塩水の呼吸器系への治癒効果が発見された後、施設はスパに再利用されました。

今日、Gradierwerk施設全体は、Solewelt Bad Salzungenのスパハウスとエントランスエリアとして使用されている木骨造りの中央の建物と、80メートルの長さの Gradierwerk2つで構成されており、東側のは 1800年に、呼吸器治療のための吸入目的の西部のものは 1901年に建造されました。 1906年に、施設は鉱泉を飲むことができる施設と野外ステージを含むように拡張されました。東ドイツ時代には長年補修がなされず傷みましたが、1990年以降に大規模に改装されました。2020年9月、歴史的設備の解体と再建設を含む Gradierwerkの完全な改修工事が開始され、2023年に完成することになっています。・・・これに合わせて駅も改修されるということだったんですね。

独語 Wikipedia
独語 Wikipedia Gradierwerk

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