- 2020-1-19
- ブログ
ポーランドの「ズゴレジェッツ Zgorzelec」を歩き、再びドイツ側のゲルリッツに戻ります。
ヨハネ・パウロ橋を渡ってドイツ側に入ると市民公園(Stadtpark)があり、その先のT字路を右折そこを右折すると旧市街に出られますが、左折して駅に向かうことにします。暫く歩くと左手に私の関心を引くような建物が見えてきます。「KULTURHEIM FRIEDENSGRENZE」(「平和の国境」文化会館)・・・社会主義時代の言葉遣いですね。公民館とか町内会館みたいな位置づけで KULTURHAUSとか KULTURHEIMという名前の建物が町や村ごとにありました。また国境近くには「民族友好」みたいな単語が多く見られたものです。この建物は元々は 1866年に竣工した織物工場だったようです。
上の画像はザクセン州とチェコとの国境付近にあった旧東独時代のレストラン(Gaststätte)で民族友好 Völkerfreudschaft)という名前がついています。
左の画像はちょっと見づらいですが、メクレンブルグの小さな部落で「Kulturhaus」という名前が見えます。町内会館的な建物です。ドアの右手にメニューらしきものが見えるので、ビールや軽食くらいは出していたと想像されます。
Obermühleというレストランと宿泊施設の看板が見えますが、その中に「ホタテ貝」のマークが見えます。これはスペイン北西部のサンティアゴ・デ・コンポステーラの聖ヤコブ大聖堂への巡礼の道を示しています。
そういえばドイツからポーランド側に入ったところにもそういう看板がありました。Zittauer Jakobswagという名前がついているようで、ここから聖地まで 3,152kmとあります。
Von Manfred Zentgraf, Volkach, Germany – Manfred Zentgraf, Volkach, Germany, CC BY-SA 3.0, Link
ドイツでは Jakobswegと呼ばれる巡礼の道の解説(日本語 Wiki)、ドイツ語 Wikiはここにあります。
有名なのはフランスからピレネー山脈を越えてスペイン北部を歩く道ですが、ここに至るまで欧州各地から巡礼の道が設定されており、ドイツにも沢山あります。ゲルリッツのは Zittuer Jakobswegと名付けられている様に、上の地図では 12番の道ということになります。
ドイツの巡礼の道のサイトはこちら、 Zittauer Jakobswegについての解説はこちらにあります。欧州各地でこの「ホタテ貝に十字」のシンボルを見かけて、ついに自分でも出かけてみました。勿論、歩いてではないですが(笑)・・・なかなか重厚で素晴らしい大聖堂です。
やがて駅が見えてきて、ゲルリッツの町を一周したことになります。戦災による大きな被害を受けず、旧東独時代に傷んだ建物も大半はリノベーションされ、旧市街からアールデコまでの建築もよく保存され、かつ社会主義時代の痕跡も見られ、国境が有りポーランドに徒歩で散歩することが可能で、巡礼の道やギリシャとの関係などの発見もある・・・そんな魅力いっぱいのゲルリッツの案内でした。