- 2026-7-28
- トピックス
中国:IJPの中核部品―ヘッドの国産化の進捗状況(2)からの続きです
それでは第3回です。この部分は、中国メーカー各社の開発状況と、量産化を阻む課題についての記事の核心部分です。
中国におけるインクジェットプリントヘッド国産化の進展(第3回)
「技術がある」と「量産できる」は別問題
記事では、中国企業がプリントヘッド技術の研究開発を進めている一方で、本当に難しいのは量産化であると強調しています。
北京奥潤(Aorun)の鄭東琛総経理は、
-
- 「インクジェットヘッドは半導体製造装置に属する超精密製品であり、その開発・製造プロセスは半導体産業そのものだ」
と述べています。つまり、
-
- 精密加工
半導体プロセス
クリーンルーム
微細加工
- 精密加工
が必要であり、単なる機械加工では実現できないという認識です。
上海锐尔发(Realfast)の開発状況
記事によると、Realfastは2018年12月、SUREjet-T7680という産業用サーマルインクジェットヘッドを正式発表しました。
当時の状況は次のとおりです。
生産体制
-
- 蘇州工業園区に生産ラインを保有
年産能力:約2万ヘッド
- 蘇州工業園区に生産ラインを保有
引き合い
50社以上から採用打診があり、そのうち18社では既に試作・評価が進んでいると紹介されています。対象市場は
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- 商業印刷
書籍印刷
段ボール印刷
ラベル
テキスタイル
サイン・ディスプレイ
- 商業印刷
などです。
技術上の特徴
Realfastは、自社技術として
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- 温度補償
シームレス接続(ヘッド連結)
4倍冗長設計(ノズル冗長)
- 温度補償
などを挙げています。その結果、
-
- 高速印刷
吐出均一性
高信頼性
長寿命
低コスト
- 高速印刷
を実現できると主張しています。さらに、
-
- ピエゾヘッドは試作段階
CIJ(連続噴射)は2021年投入予定
- ピエゾヘッドは試作段階
というロードマップも示されていました。
北京奥潤(Aorun)
北京奥潤は1998年創業で、記事によれば、
- 中国初の国産インクジェットプロッター
中国で2番目の産業用インクジェット装置
を開発した企業と紹介されています。
10年以上の開発を経て、2018年には標準型ピエゾヘッドを市場投入しました。
生産能力
-
- 北京・順義区に生産ライン
年産約1万ヘッド
- 北京・順義区に生産ライン
として紹介されています。
鄭総経理は「安定性と寿命は同クラスの輸入品に匹敵する」と述べています。
AMSKY
AMSKYについては、2014年に「独自ピエゾヘッドの特許を出願」したことが紹介されています。
記事では、AMSKYが既に次の3つのコア技術を保有するとしています。
-
- レーザー技術
ピエゾインクジェット技術
高精度モーションコントロール
- レーザー技術
現在のAMSKYも、自社の中核技術としてこの3分野を掲げています。
量産化を妨げる三つの壁
Realfastの謝董事長は、量産化が難しい理由として次の三点を挙げています。
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- 技術的障壁
- 歩留まり(良品率)
- 特許問題
記事では、この三つが互いに密接に関連していると説明されています。例えば、設計ができても
-
- 良品率が低い
コストが高い
他社特許を回避できない
- 良品率が低い
と、事業として成立しません。そのため、「開発成功」と「量産成功」はまったく別の課題であるとしています。
大野さん向けコメント
この2020年の記事を読むと、中国企業の自己評価は比較的現実的です。
「海外製を超えた」とは言わず、
-
- 年産2万個(Realfast)
年産1万個(Aorun)
- 年産2万個(Realfast)
という規模を公表しながら、「歩留まり」「特許」「MEMS」がボトルネックであることを率直に認めています。
2026年の視点で見ると、その後、中国では国家支援や半導体製造能力の向上を背景にヘッド開発が大きく進展していますが、産業用ハイエンド市場では依然として京セラ、リコー、コニカミノルタ、富士フイルムDimatix、Xaarなどの存在感が大きいことを考えると、この記事で挙げられた課題は現在でも完全には解消されていないことが分かります。
次回(最終回)は、特許の壁、MEMS技術への移行、市場予測、そして中国政府がプリントヘッドを国家重点技術に位置付けた背景を翻訳し、最後に2026年現在から見た評価も加えて総括します。
中国:IJPの中核部品―ヘッドの国産化の進捗状況(4)に続きます


























