- 2023-10-27
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各社の 2023年度第2四半期(上半期)の決算発表が始まりました。キヤノンやローランド DGなどは暦年決算なので、2023年度第3四半期決算の発表ということになります。
おや、なにか前回発表時から修正していますね?前回(上半期)の私のコメントは下方にある上半期のところをクリックして頂くと展開しますが「売上もちょっと背伸び気味だけど、営業利益はかなりの背伸び(無理筋?)に見える」と書きました。そのあたりを修正したんでしょうか?
Q3実績だけでみれば売上高・営業利益ともほぼ前年同期並みという感じです。特段悪い数字ではありません。Q3の営業利益も 8.1%あるので立派な成績だと思えます。
あれ?売上高を下方修正したんですね?これって前回は上方修正したじゃないですか?結構小まめに見直すんですね・・・お、営業利益は据え置いてる!これも前回上方修正して、大野的には「随分頑張るねえ!まあ、ちゃんと見通しがあって達成しちゃうんだろうけど・・・現場はかなりシンドくない?」と思いましたが、こちらは据え置くんですね・・・むむむ、なんでや?
では、いつもの検査手法(笑)・・・「年間見通し-Q3までの実績=Q4に必要な数字」という簡単な計算でそれを求めてグラフ化してみましょう。
売上高については、ここで下方修正したことでもあるし、そんなに無理をしたようなグラフには見えません。でも下方修正する前はかなり無理なグラフだったんだろうな・・・年間ベースで 43,630億円から 42,200億円へと 1,430億円も引き下げたわけですから・・・グラフはクリックすると拡大するので、そのQ4に 1,430億円乗せた棒グラフを想像してみて下さい!
で、営業利益・・・ヲイ!これって、やっぱりちょっと凄くないですか?ここまではほぼ前年並みだったものがQ4で一気にこれだけ利益が出てくる要因って何なんでしょう?同社の前回(上半期)の決算説明会資料のコメントとそれに対する私のコメントを下に再掲しておきます。
要は堅めに見ていた為替レートを「少し実レートに寄せた数字」で見直すとこれだけ出てくる。今やドルは 150円以上の水準なので、上半期の推定時よりもっと利益が出る・・・という理屈でしょうか?でもちょっと待ってね!今や単体決算の時代ではなく連結決算の時代・・・同社には海外の連結販売子会社が沢山あるはず。そこの現地通貨建の売上高を円換算するだけで売上高は円安に振れた分膨らむはず・・・それは今回下方修正したわけでしょ?すなわち「物量が動いてない」・・・で、何故利益だけは据え置くことが可能なのか?
単純に営業利益率の四半期推移だけで見ても、Q3に 8.1%だったものをQ4だけで 11.7%にしますよ!と言ってるわけですよね・・・凄くないですか、それって?やったことある人いますか?私が事業部の責任者だったら、こんな目標を押し付けてくる・・・しかもそれを外部にコミットしてしまう経営企画部門に対して怒鳴りつけちゃいますね「こんな無理なノルマって、ビッグモーターか!」(笑)
「2008年以来の 4,000億円台を目指す」・・・いや、目指すのは大いに結構ですが、決算説明会って決意表明の場ですか?しかも第3四半期って、もう決算前最後の四半期ですよ?結果的に出来ませんでした・・・という話になると株主を欺いたことになりませんか?これだけ無理筋って簡単な計算でわかることなのに・・・?誰に対して決意表明してんのさ?
あ、え、ひょっとして・・・そういうこと?花道・・・?忖度・・・?
書きかけて、流石に削除しました(笑)まさか、そんなことではないことを祈りますし、12月に適時開示で利益の下方修正なんて出ないように期待する次第です。
気が付いたのですが、同社は前年度の決算でも同じことをやらかしていますね!こちらをご覧ください。そのQ3でも私は同じように「これって無理筋ではないか?」ということを書いています。こちらをご参照ください。ということは・・・これはやっぱり確信犯っぽいなあ!株主に正しい情報を開示するのが趣旨の決算短信でこういうことをしていいんでしょうかねえ?財務省や証券取引所の幹部に友人がいるので見解を訊いてみよう・・・