業界各社 2025年度第1四半期決算発表状況:小森コーポレーション

業界各社の第1四半期決算状況を見ていきます。今回は 8月 4日に発表した小森コーポレーションです。

減収増益です。ただ同社の場合は商談サイクルなどからQ1・Q3は比較的低調、Q2・Q4、特に期末のQ4に挽回するというのが例年のパターンなので、Q1のこの程度の減収は騒ぐほどのことでもないように思われます。

年間の見通しは、着実に回復してきている流れを受けた売上高・営業利益の予想を据え置いています。

同社の説明資料はいつも細かい数字まで、ここまでの推移も含めて開示するスタイルです。まあ、それはそれで結構なことなのですが、今回に関して言えば「そんなことよりランダの破綻の影響は?」が一番知りたいわけで、そこが全く触れられていないのはいかがなものか?と思わざるを得ません。

2012年の drupa以来、実に13年もの歳月をかけて何とかモノにしたにしたランダ技術による NS40ですが、ランダの破綻によってこれからどうなるのか?直近の課題としてはサプライの安定供給は確保されるのか?Nessanの記事には下記の記述があります

「しかし Komoriは自社製の NS40 B1ナノグラフィック印刷機向けに Landaからインクジェットユニットを供給を受けていました。Komoriは少なくとも 4台を出荷しており、そのうち 2台は日本で、1台ずつ米国と中国に、さらに中国に1台が追加される可能性があります。したがって、Komoriはこれらの顧客へのサービス提供に直面する緊急の課題を抱えています。

これは、Landaが設置した 50台よりも大幅に少ない数です。これは主に、Komoriが自社の完成に時間がかかったためです。Komoriの立場では、レジストレーション精度が日本の顧客の要求を満たさなかったため、NS40のレジストレーションシステムをさらに開発し、画像品質を向上させました。しかしながら、Landaがいない限り、結局は NS40にも未来はありません。」

これに対する何らかの発信は必要だろうと考えます。同社はアナリスト向けに説明会を開催しているのでそこで説明したのかも知れませんし、(少なくとも)4台設置したという顧客への個別説明はしているものと想像されます。

しかし、本案件は一般株主にとっても重大案件であり、公開の場で同社のスタンスを開示することは重要・上場会社の責務であろうと思う次第です。

第2四半期には状況もより明らかになっていると思われるので、明解な開示を期待しています。

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