- 2025-11-17
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「【日経記事】50代の早期退職、年収半減でも転職困難」からの続きです。
記事では「50代以上のベテラン社員は年収を半減させても、転職先がなかなか決まらないことも多い。大企業が育ててきた「ゼネラリスト」は価値をアピールしにくいという声がある。希望年収は 550万円以上とし、管理職だった大手メーカー時代と比べれば半分以下もののほとんどの会社は、なしのつぶて」・・・という内容です。
そして「大企業に勤める30〜40代の中堅社員は『どのスキルで自分を売っていくのかを早く明確にして、そのスキルを高めることに注力した方がいい』(市原代表)という。大企業の役員にまで上り詰めたいのであればゼネラリストとなることを受け入れ、そうでないのであれば『会社の命令に背いてでも、経理なら経理、法務なら法務で一つのスキルをとがらせた方がいい』と勧める」・・・と、役員になりたいならゼネラリスト(でも役員になれる人は一握りで、早めに方針転換しないと自分の転職商品価値は下がる)、そうでないなら「スペシャリスト」を目指すべきという主張をしています。
これはこれでそれなりに説得力はあります。確かに前章で書いた「中高年になって『使えない人』」「企業の贅肉になってしまっている人」は会計知識を磨いてきたわけでもなく、法務知識の専門家でもなく、かといって最新の回路設計や AIを使いこなしたコーディングが出来るワケでもないです(最近はノーコード・ローコードなんてのもありますが(笑))
しかし一方でスぺシャリストとして生きていこうと思うと目標は生半可なレベルではありません。経理でも簿記2級位では無意味で「公認会計士とは言わなくても、それを受験できるレベル」とか、法務知識なら「司法試験合格レベルではなくても、それを受験できるレベル」くらいでないと駄目でしょう。技術系についてもナンチャッテ知識ではダメでしょう。要はゼネラリストではなくスペシャリストとして存在を磨けとはいってもその道は決して甘くはないということです。
ここでご参考までに大野のスペックを「自虐的に」(笑)公開しておきます。
1.英語:TOEIC 895点:これはまあまあかと思いますが・・・今時、英語はこの程度ではスペシャリストの域ではありません。それに英語はツールであって英語で会計知識を駆使できればスペシャリストでしょうが、英語単独ではさほどの意味はありません(・・・あ、それでも「人と繋がるツール」としてマストアイテムだとは思います。
2.独語:日常会話レベル 仕事で使えるレベルではありません。まあ、ドイツ人に「お!変なガイジン」と思われて可愛がってもらえるというのはありますが(笑)
3.普通運転免許:それがどうした(笑)ドイツ普通免許も持ってますが・・・それがどうした(笑)
4.簿記:資格はありませんが2級程度・・・それがどうした(笑)
要は履歴書に書いて転職エージェントや人事採用担当に「ほう!」と思ってもらえる資格などは何もなく,スペシャリストなどと呼べた代物ではないのです。
敢えて言えば:
1.インクジェット担当を拝命した時、それに惚れこんでここに骨を埋めると覚悟したこと
2.出世込みの社内転籍の話は何度かあったが断り続けてインクジェットに居座った?こと(笑)
3.日本には実質的に市場は無いので海外市場に頻繁に出かけ、そこで競合を含め人と繋がりまくったこと。結果として海外市場で「日本でインクジェットと言えば大野」と言われるようになったこと
4.Linkedinでのつながりが 3,000人に上ること
・・・などがスペシャルと言えばスペシャルです。実はコレ、大事なんです。
要は日経などがアタマの中で「スペシャリストと言えば資格の取れる分野」みたいな発想で会計知識とか法務知識なんて書いてますが、そうでなくてもスペシャルであることは出来るし、むしろゼネラリストを極めてスぺシャルになったように思います。もちろん、前章で書いた「調整型」ではなく、社内のあちこちの顔色を見ながらうまく立ち回ることを旨としていたことはありません。
ここで私が、日経でいうところのスペシャリストとスペシャルであることを使い分けていることにご注意ください。次回はそこを解説します。
【日経記事】50代の早期退職、年収半減でも転職困難(3)に続きます

























