【日経記事】50代の早期退職、年収半減でも転職困難

50代の早期退職、年収半減でも転職困難 「ゼネラリスト」偏重に課題も

11月12日付の日経電子版にこんなちっと衝撃的な記事が載っていました。

「日産自動車やパナソニックホールディングス(HD)、三菱電機など大手製造業が早期退職の募集に踏み切った。主な対象となる50代以上のベテラン社員は年収を半減させても、転職先がなかなか決まらないことも多い。大企業が育ててきた「ゼネラリスト」は価値をアピールしにくいという声がある。日本の人材育成の課題も露呈している。

「どうせ転職するなら、もっと早く動けばよかった」。大手メーカーを10月末に退職した 50代後半の会社員の Aさんは吐露する。新卒で入社し、当初は定年まで勤め上げるつもりだったが「もうこの会社にわくわくしなくなった」と感じていた。定年後の再雇用も確約されているとはいえず、仮に再雇用されても年収が大幅に減るのは目に見えていた。

退職を決めた 7月ごろに転職活動を始めた。複数の大手転職サイトに登録し、100社超に応募したもののほとんどの会社は、なしのつぶて。実際の面接まで進んだのは 5社ほどだ。希望年収は 550万円以上とした。管理職だった大手メーカー時代と比べれば半分以下と、収入を高望みしたわけではない・・・(以下は下のリンクから)

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ここでいう「スペシャリスト」の対立概念を「ゼネラリスト」と呼ぶようです…ジェネラリストではないか?というどうでもいいツッコミはスルーするとして( ^ω^ )…他には「調整型」と言われることもあります。小生は「戦闘能力が低い」ということもあります。

こういう人達の再就職が大変だというのが記事の趣旨です。そりゃそうだよなと普通に思うんだけど、日本の企業社会ってそういう調整型の人材を優遇し続けて来て、逆にその対極の人材は「尖っていて使い難い」と冷遇して来たわけですね。その結果、今日本の企業を遠目で見れば「使えない人材」が分厚く贅肉のように付いている肥満体になっているわけです。

最初にその影響が現れたのは総合電機メーカーかも知れません。若手が iPodや iPhoneの登場に衝撃を受け「これからはハードの性能競争ではなく、ソフトやネット環境への適合が重要!」と叫んでもそこに少しでも理解できない単語が入っていたら「ふん、そうかもね、でもハードの性能を上げる方が重要」とスルーして…その結果今や日本製のスマホは凋落してしまいました。液晶パネルがいかに優れていても、そんなハードをウリにした AQUOSスマホじゃないんですよね。

製造現場で大事故があっても調整型で偉くなった役員や部長達は部下からの報告を捌くことに慣れてしまって自分では現場に足を運ばないわけです。現場に出かけてウッカリ対応方針を訊かれても、部下からの報告を聞いてから無難な方針を出すのに慣れて、その時は何も持ってないので答えられず恥をかくので結果的に現場には出かけないんですね。その対策会議では、現場に行かない幹部達が伝聞情報で対応方針を決めるなんていう奇妙なことが起こります。

展示会にももはや自分では出かけず、出かける部下に分厚い報告書を求めることになります。まあ、出かけてもそこには知り合いはおらず、出展物を観てもそこからトレンドを感じとる感性も無くしてしまっていて、感想を求められても大した答えが出来ないので恥をかく…それを避けたいので出かけない。そしてますます遅れていき企業贅肉の一部となっていく…みたいな悪循環に陥ります。

そして、こういう「調整型」でエラくなってきた幹部・中堅社員もやがて定年を迎えることになりますが・・・所詮は社内の調整で出世してきたので「社外に通用するスキル」はなにも持ち合わせていません。そして再就職エージェントからも「使えない人」という烙印を押され路頭に迷うことになるのです。

この日経記事を読んで「ヤバい!」と思った方も少なからずおられるとは思いますが・・・多分、今更気が付いてももう遅いと思いますよ!

この項続きます

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