- 2025-11-18
- トピックス
各社の第2四半期(第3四半期)決算発表が出そろいましたので、ここで纏めておきます。まあ、纏め自体は大したことはありませんが、やはりこの円安状況の分析は実に由々しいことになっています。
年間見通しに関しては殆どが実質的に据え置き(ブラザーが上方修正・ミマキが下方修正)に見えますが、各社とも下期の為替を実勢に比してかなりコンサバに見ているので、結果としては皆クリアするのでしょう。ミマキも前年実績を割るという見通しを発表していますが、これも為替前提をもう少し現実に近くすればそこまで下方修正をする必要は無いのではないかと見えます。トランプ関税など、まだ不安要因があるので慎重ですが、各社ともなんとか年初見通しくらいは行くのではないかと思えます。
さて由々しいのはここからです。
上のグラフ群はこの5年間の各通貨の対円レートの推移です。グラフはクリックすると拡大しますが、円はドルやユーロのような主要通貨のみならず、人民元や、ついこの前まで共産圏で 1990年にゼロから国を立て直したチェコのコルナに対しても「負けている」のです。
上の表は「コロナ前の 2019年度」と「今年度 2025年度」の売上高・営業利益を纏めたものです。殆どの会社は「円表示では伸びている」ように見えますが、この5年でドルが1.5倍強くなったことで補正をすると(要はドル表示すると)売上高はほぼ全滅=小森以外は 100%を割っている=シュリンクしているのです。営業利益も(2019年に赤字だったところを含め半分が 100%割れです。
え?日本に本社がある日本の会社なんだから円表示で考えていいじゃんか?はい、その国際感覚ではヤバいと思います!
富士フイルムという日本が世界に誇る優良会社の新卒給与は下記の通りです
流石、富士フイルムですねえ!いい給料だと思います。でもね、ちょっと待って・・・
ドイツの最低賃金労働者・・・まあ、ホワイトカラー従業員は最低賃金で働く人はまずいないのでもっと高いですが・・・工場のラインの組立工とか、フォークリフトなどの免許を持っていない現場労働者(資格をもっていると最低賃金では雇えない)などが想定されますが、その年収は €26,666.-=4,773,214円(€1=179円)なんです!
なんとあの優良会社の代表格の富士の学卒どころか博士卒の初任給より高いんですよ!この現実をどう思いますか?しかも 2027年からは更にアップすると書いてあります。これでも「日本の会社なんだから円表示でいいじゃん、関係ないだろ」って言えますか?
係長クラスでタクシーの運ちゃん、管理職クラスで鉄道の機関手、役員クラスで・・・聞きたいですか?自分で調べてみてください(笑)・・・あ、笑えない。
高市首相、中国に妙に絡まれて大変なのはわかりますが、これだけ日本が貧乏になって「強い経済」って何を寝言言ってんですか?せめて購買力平価・・・富士フイルムの学卒・院卒・博士卒の初任給が、海外の然るべき優良企業のそれらと肩を並べられるくらいに円を強くしてくださいよ!
世界に真ん中で咲き誇る外交なんて最初からケチが付いちゃいましたが、このまま何もしないと「強い経済」だって何言ってるのかワケが分らなくなりますよ!
喝っ!































