- 2023-11-20
- トピックス
11月 28・29日にデユッセルドルフで開催される IPI(Industrial Print Integration)に参加するため、航空券と宿の手配をしましたが、この5・6月に6週間の欧州放浪をした時から、150円/€から 163円/€と、更に円安が進行し、その円貨の出費額にショックを隠し切れません!(笑)
円/ドルで過去5年を振り返れば、2019~2021年の3年間は概ね 110円/$あたりで安定していました。まだ記憶に新しいところですが、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったあたりからドル高・円安が急速に進み始めました。古典的な「有事のドル買い」や「日米金利差拡大」から「日本の全般的な国力の低下」まで様々な理由付けがなされました。昨年の 10~12月には一度 130円/ドルまで戻しましたが最近では 150円/ドルまでまた円安が進んでいます。
そういった中、各社の四半期決算や年間見通しには「増収増益」「過去最高」などの文字が踊ります。コロナも一段落し、加えてこの円安下でそうじゃないとちょっとヤバいんじゃないの?とさえ思えます。
しか~し!ちょっと待って!
それって、外国人が彼らの自国通貨($・€・£など)に換算したら「安っ!小さっ!」と見られるのではないの?というわけで、業界企業の業績推移を「ドルベース」で今年度の業績見通しを見たらどういうとになっているのかをチェックしてみました。ここでは暦年決算の代表格「キヤノン」と日本式年度決算の代表格「富士フイルム」を見てみます。いずれも業界・日本を代表できる優良企業ということで、特段他意はありません。
【キヤノン】
円表示では増収増益です。が、ドル表示では「減収増益」となります。しかも(何度も書いてきたように)キャノンのQ4の営業利益見通し「1,406億円」は、これまでの実績や流れから判断してかなりの無理筋ではないかと指摘してきました。その無理筋の営業利益を達成できて漸く増益になるのです。ということは・・・ドル表示では「減収減益」に落ち着くのではないでしょうか?
【富士フイルム】
同社も円表示では増収増益です。売上高も営業利益も「過去最高」と謳っています。しかしドル表示では減収減益、売上高はコロナ前の数字をも下回り、過去五年間では最低の数字となります。
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勿論、日本の企業なので「円」での数字が基本であるのはそういうものでしょう。しかし、グローバルプレーヤーとして外国人投資家も見ていることを忘れてはいけないでしょう。企業価値の指標「純資産」をドル表示にしてみれば「なんだ、こんなに安く買えるのか!」と見られるということにもなります。
ここではキヤノンと富士フイルムという「円表示での増収増益」の代表的優良企業を見ましたが、次回はインクジェット業界になんらか関係する主要な企業を一覧で見てみようと思います。
「円安状況での増収増益ってなんだよ、オイ!(笑)-2-」に続きます