Norafin:ドイツの不織布メーカーを訪問してみた(2)

Norafin:ドイツの不織布メーカーを訪問してみた(1)からの続きです

そもそも不織布ってなんでしょうか?もちろんその辺に溢れているありふれたものですし、馴染みが全く無いというものでもありません。とはいえ、最初にそのあたりのことを整理しておきます。Googleで「不織布とは?」と入力すると AIが下記のような概要を示してくれます。

不織布とは、繊維を織らずに、熱や圧力、化学的な処理で結合させてシート状にした素材のことです。一般的な布のように糸を撚って織る必要がないため、大量生産がしやすく、コストを抑えられるのが特徴です。

不織布の特徴:
織らない布:繊維を織ったり編んだりするのではなく、繊維を絡ませたり、接着剤でくっつけたりしてシート状にしています。
多様な製法:ケミカルボンド、サーマルボンド、ニードルパンチ、スパンボンド、スパンレースなど、様々な製法があります。
幅広い用途:マスク、おむつ、ワイパー、土木資材、自動車の内装材など、様々な分野で使用されています。
メリット:通気性、吸水性、軽さ、柔軟性など、用途に合わせた特性を付与できます。
デメリット:織物や編み物に比べて耐久性は低い場合があります。
主な用途:
衛生用品:マスク、おむつ、生理用品、ウェットティッシュなど。
衣料品:衣服の芯地、裏地など。
医療用品:手術用ガウン、マスク、包帯など。
産業資材:フィルター、土木資材、自動車の内装材など。
その他:ワイパー、バッグ、包装材など。
不織布は、その特性を生かして様々な分野で利用されており、私たちの生活に欠かせない素材の一つとなっています。

英語では「nonwoven fabric」といい、不織布はその直訳ですが、ドイツ語ではVliesstoff(フリースシュトッフ)」といいます。フリースと言えば我々はユニクロのソフトな衣類をまず思い浮かべますがドイツでは不織布のことを指します。

これは 2015年の IGI(世界壁紙産業協議会)に参加した時のレポートですが「壁紙」とはいえ実はその半分は 2015年時点で不織布であることが統計部会で示されており(p6)、またドイツではこの時点で既に 80%が不織布だった(p8)のです。今はドイツでも世界的にももっと不織布の比率が高まっているだろうことが容易に想像されます。

不織布の作り方に関してはいろんな方法があるので、こちらをご覧ください。基本的には搬入されてきた短繊維の塊をエアや水などでほぐして薄くして、繊維をランダムな方向に並べます。

短繊維がランダムな方向に並んだ層を作った後、それを絡ませて布的なものに仕上げるにはケミカルやスプレーや熱をかけるなどいろいろな方法がありますが Norafinの場合は環境にやさしい方法として「水噴射」による方法を採用しています。(製品によっては別の方法も)

短繊維の種類や製品の仕様によってノズル径を変えたり水流の速度を変えたりして最適化しています。


水噴射方式の解説図

Norafinと原理的には同じですが、中国メーカーの生産現場の動画があります。圧倒的な規模で生産しており、コストでは太刀打ちできないように思えますが・・・Norafinの考え方は?次回はそこをご紹介します・・・やっぱり3回はかかってしまったな(笑)

Norafin:ドイツの不織布メーカーを訪問してみた(3)に続きます

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