iPrint:スイスのインクジェット研究機関

先日、エプソンの「欧州でのヘッド外販ビジネス強化のためスイスに拠点設立 – スイスiPrint研究所との協業により、新規アプリケーション※開発に対応 –」というプレスリリースをご紹介しました。今回は、その iPrintという研究所を紹介します。一言で申せば「スイスの大学に属するインクジェット技術の研究開発機関」で、日本人若手研究者の堂前美徳さんがマネジメントを担当しているユニークな組織です。

iPrintの公式サイトはこちら

場所柄、欧州企業との共同研究が多いですが、堂前さんは日本企業とのオープンなコラボも推進しており「毎日がカンファレンスや展示会のような、そんな環境を作ろうと思っています。日本企業の為の機会創出、人材育成、のための場を提供しています。日本企業でも多少文化は違うところもありますから、そんなところにも少しでも、興味を持って前に進んでくれたらいいなと。若手が楽しく働ける会社が増えて欲しいですね。」とのことです。

Linkedinにも登録しておらず(=国際的なビジネスシーンには存在していないも同然)、開発費の抑制にしか関心が無いようなマルドメ上司達には見切りをつけて、個人でもまずは Linkeninに登録して、堂前さんと繋がりませんか?(笑)

✙✙ クリック下さい:About us(iPrintについての全般情報)を訳してあります

総合案内
弊社について
iPrintは、スイス西部応用科学芸術大学(HES-SO)のメンバーであるフリブール工学・建築学部(HEIA-FR)の研究所であり、コンピテンスセンターでもあります。

iPrintは現在、デジタル印刷の応用研究と革新的技術のための最大かつ最もダイナミックな機関の1つです。応用研究は、工学の最新技術や基礎研究機関との緊密な連携により、学際的に行われています。産業界をリードする研究パートナーとして、iPrintは定期的に技術革新に大きく貢献しています。プロセス、方法、先端材料に関する専門知識と、装置サプライヤーとの緊密な連携により、iPrintはさまざまな産業分野でノウハウを提供する貴重な存在となっています。

一方では、革新的な技術の開発に注力し、現在の技術の限界を克服することで、明日のデジタル生産における革命を可能にします。また、4つの主要な分野において、インクジェットベースのデジタル印刷プロセスの開発および最適化を行っています。

グラフィカル印刷|先進製造業|バイオメディカル印刷|エレクトロニクス向け印刷

また、デジタル印刷プロセスの技術移転を促進することで、産業界のパートナーをサポートしています。最後に、インクジェット関連のコアコンピタンスについて、新入社員や専門家を高度な学際的理解で教育するため、ハイレベルで実践的な教育である「インクジェットトレーニング」を実施しています。学術面では、機械工学、電子工学、コンピュータサイエンス、化学の学生を定期的に受け入れ、彼らのプロジェクトや研究活動を支援しています。

現在、iPrintでは約35名のプロフェッショナルが、学術界と産業界が一体となった場で、それぞれの知識と専門性を共有しています。国内外の幅広い産学ネットワークと、企業のキーパーソンや有名研究所の主要研究者との頻繁な交流により、iPrintはデジタル印刷に関連するメタトピックを明確に把握することができます。

近年、iPrintは正しいトレンドを予測し、新しい市場へのプロセスや製品の可能性を探るために、非常に早い段階で能力とインフラを開発できることが証明されています。iPrintのUSPであるインクジェット技術はもともとデジタル技術であり、デジタル化は今日のイノベーションの中で遍在しています。

iPrintは現在、数十のプロジェクトを並行して実行し、40以上のカスタムメイドの研究用プリンタープラットフォームを構築しています。

コロナ前の 2019年 10月に iPrintを訪問した時の画像です。中央の人は創設者の Kircher氏。彼が退職した後は堂前さんが後継となり、研究開発をマネジメントしています。スイスのフリブール( Fribourg(仏)/フライブルク Freiburg(独))にあり、周辺環境は長閑な牧草地です。ええなあ~(笑)↓↓クリックするとスライドショーになります。

実験室内の様子 ↓↓クリックするとスライドショーになります。

因みに堂前さんは、前職セイコープリンテックでパリに駐在して、自ら開発に関わったインク循環ヘッド「RC1536」の市場開拓と技術サポートを担当していましたが、そこでスイスの iPrintに転職!「やりたいことをやれる30歳代のうちに・・・」と、ご本人は当時言っておられましたが、家族帯同で駐在中に、外国から外国へ、それもビザ取得が非常に難しいスイスへ・・・外国人の友人にはよくある話なんですが、日本人としては規格外ですね!

2020年、OIJCが主催した JIBC(Japan Inkjet Business Conference)で講演する堂前さん。「私はオカネが嫌いです」というツカミでウケました(笑)

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