- 2026-8-2
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今回 10月21日の JHVP(Japan High Vistosity Project:日本高粘度プロジェクト)を主導していただく堂前美徳さんにロングインタビューをしてみました。
堂前さんはスイスの工科大学傘下のインクジェット研究機関「iPrint」でダイレクターを務めている方で、今やこの業界で彼を知らないとモグリと言い切っても過言ではないでしょう。今回は JHVPでプログラムの設計・講演者やワークショップ登壇者のアポ・当日の仕切りなどをやって頂くスーパーマン的な働きをお願いしています。一部のモグリの方(笑)及び名前は知っているけど、詳しくは・・・という方のためにインタビューを試みました。
大野:iPrintはなんだか凄いことになっていますね!いまやほとんどの企業が「iPrint詣で」をしているように見えます。お伊勢さんか、巡礼の聖地 Santiago de Compostelaとかメッカみたいな(笑)堂前さんは天照大神か、聖Domaeか、モハメッド美徳?・・・あ、天照大神は女性だったか(笑)
堂前:あまり神様や聖人に例えるとバチがあたりますよ(笑)でも有難いことです。
大:Linkedinにアップされている公開情報だけでも京セラ・理想科学・コニカミノルタ・サカタインクス・ケンブリッジの Industrial Inkjetなど錚々たる顔ぶれが上がっています。エプソンも以前にプレスリリースがありましたね。勿論クライアントや非公開のパートナーなどを含めると凄いことになっているのは容易に想像できます。そもそもどういう組織・運営形態なんでしょう?
堂:iPrintは2名の事務職員以外は、プロフェッサーや博士を含む30名~40名の様々な技能を持つ研究員で構成されています。ただし、スイスでは労働%を指定して労働契約がされており、IJプリンターメーカー開発職と iPrint研究員を 50%ずつの兼業をしたり、独立コンサルタントと iPrint研究員をやったり、iPrintと 80%で契約して週休3日で働いたり、と色々な人がいまして、100% iPrint専業メンバーは数名程度、よって、100%=1人換算で考えると20~25名ほどになります。私はここまで 100% iPrint専業ですが、いつかは兼業もしてみようかと考えています。
大:マジですか!(笑)ダイレクターが%で兼業・・・何と兼業するのかちょっと気になりますね(笑)ざっくり言うとどんなことやってるんですか?
堂:活動内容は、大きく分けると2つの研究開発活動、インクジェット技術自体の革新を目指す研究開発と、インクジェット印刷プロセスを用いたアプリケーションの研究開発を、世界中の企業や研究機関と一緒に実施しています。
そして教育活動として、インクジェットトレーニングセンターを利用したトレーニングコースの提供や、大学から博士、修士の学生とインクジェットに関連した研究テーマを実施しています。
それに加えて 2年に1度、Advanced Inkjet Technologyというインクジェット技術専門の国際会議も主催しており、最高評価をいただいております。
大:いやあ噂はお聞きしてますよ!私自身は参加できなかったんですが、参加した人から素晴らしい評判を聞いています。2024年の AITに関してはこんな記事を書いていますよ。この時のプログラムも翻訳してあるので何がテーマだったのかを外観できます。
堂:有難うございます。日本をガラパゴスに例えるのはいいですけど「翅の生えたスーパートカゲ」ってなんですか(笑)
大:もちろん堂前さんのことですよ(笑)でも大学の研究機関って何やら制約は多くないんですか?日本だと文科省とかがいろいろ自由度を狭めている印象があるんですが?
堂:文科省の制約というより、多くのプロジェクトは企業からの直接の依頼なので内容にそれほど自由度はありませんが、iPrintの自主研究開発については、やりたいことをもっともらしく説明することができれば、投資を得る方法はいくつもあります。ヨーロッパプロジェクト、企業と協業してイノベーションを起こすInnosuisseという国のイノベーション促進プログラム、大学のR&D基金、地元の投資基金等など。これらは数週間から数ヶ月かけて書類を揃えて申請し、投資を受けられるかどうかは内容に対する審査結果次第。
私はSIP(Smart Inkjet Printhead)の研究開発プログラムを地元の投資団体と大学に申請して、3年間で1億5千万円相当の投資を受け、SIP技術の基礎を開発しました。現在、SIP技術は次世代のインクジェット技術の中心という位置づけとなり、様々な企業と実用化へ向けた開発を進めています。
しかしながら、一般的には、学術界における研究が数年で出口につながるというのは稀で、良いアイデアは、遠い先の未来を見据えた様々なアイデア、悪いアイデアは、“研究を続けるための受けの良い研究テーマ”も多々見受けられます。特にその手のアイデアを出している輩は、申請を通すためのテクニックに長けており、研究開発の促進が求めている姿にはなっていないと思います。
大:なるほど!やはり日本とは感触が違うような気がしますね。特に重点を置いていることってなんでしょう?
堂:「課題に対して最適解が何かを考え、それがインクジェットでも良ければ開発する」ということと「常に一歩先を目指し、顧客満足を目指すのではななく、驚きを与えることを狙う」ということですかね。
大:まず課題有りきで、インクジェット以外の解決法もいろいろあるんだろう、それがインクジェットでできるならオレの出番だ!ということですね。二つ目の「顧客満足を目指すのではななく、驚きを与えることを狙う」・・・これ地味にすごいなあ!印刷機メーカーの小森コーポレーションの標語に Beyond Expectationというのがあるんです。顧客満足というのは普通のメーカーが当たり前に言ってますが、そこを超えないとオモロくないじゃん?ってことですね
堂:はい、やはり期待通りを狙ってお客に媚びてちゃいかんとおもうんですよね。おお、そう来たか!と驚きを与えたい・・・関西人ならわかってくれますよね(笑)
大:なんでやねん(笑)
iPrint 堂前美徳さん:ロングインタビュー(2)に続きます




































