誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(115)★★★ ギュストロウ Güstrow -6-

★★★ ギュストロウ Güstrow -5- からの続きです

さて。今回この町 Güstrowにやって来たのは「これが見たかったから」という場所にやって来ました。Güstrower Dom(正式には Dom St. Maria, St. Johannes Evangelista und St. Cäcilia)です。

特に信心深いわけではないのでキリスト教やその界隈の歴史については明るくないのですが、それでもオランダからドイツ北部、ポーランド北部にかけて分布する煉瓦造りのゴシック(Backsteingotik)の建築、中でも教会建築に興味があってこれまでかなりの数の教会を見てきました。

建築学的に体系的な整理は出来ていませんが、それでもなにか共通点や相違点が見えてきます。ここで着目するのはオルガンです。この Dom(大聖堂)には私なりに極めて珍しいと思うオルガンがあるのです。

どうでしょう、わかりますか?そう、オルガンが左右対称に2つに分割されているのです!

殆どの教会は東西に軸があり、西側にある教会の入り口をはいって東に真っすぐに進むと祭壇があります。途中で後ろを振り返り上を見上げると、入り口の上方に立派なオルガンが設置されている・・・これが基本的な構造です。ここでオルガンは左右対称形をしているものの左右に分割されているということはあちません。

この構造について解説した記述は探した限りでは見つかりません。ドイツやベルト海に面した地域のオルガン制作技術ではさほど奇異なものではないのかも知れません。

しかし、この地域の教会をかなり訪ね歩いた私にしても、他の事例はポーランドの Pasłęk(パスウェンク:旧東プロイセンの Preußisch Hollandにある Bartholomäuskircheにあるものしか知りません。Geminiや ChatGPTに訊いてみても他の事例は出てこないようです。

想像するにオルガンを二つに分ける目的は、分けずに通常のオルガンを設置すると隠されてしまう、その向こうにある見事なステンドグラスやバラ窓を見せたいがため(隠さないようにするため)・・・と思われます。この2例はいずれも美しいバラ窓やステンドグラスが西側の入り口の上方にあります。ただそうだとすると、もう少し事例があっても不思議ではないような気がします。

とはいうものの、フランスやイタリアではノートルダム寺院やシエナ大聖堂など随所に見られるように「聖母マリアの象徴や天国を表現した円形の装飾窓」としてのバラ窓は一般的というか教会の存在意義そのものという位置づけですが、ドイツやバルト海沿岸ではむしろ例外であるように思われます。ドイツで他の事例と言っても、少なくとも私が歩いたバルト海沿岸では他に見た記憶はありません。

では何故この2件だけが?これは深堀するに面白いテーマになりそうです。

ギュストロウ(Güstrow)にある歴史的な旧大聖堂学校(
Domschule Güstrow
)
です。

建築の特徴:メクレンブルク地方で最も古い現存する学校建築の一つとされるルネサンス様式特有の装飾的な破風(ゲイベル)や美しい窓の配置を持つ歴史的建造物所

在地と歴史所在地:ギュストロウ(ギュストロウ大聖堂の近郊)近年では歴史的建造物として保存・改修工事が行われ、地域の教育・研究施設等として活用されています。


★★★ ギュストロウ Güstrow -7- に続きます

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