ドイツのクリスマストリビア:Weihnachtskleinigkeiten

11月の最終週の土曜日、第一アドヴェント(待降節)が始まり、ドイツのクリスマスシーズンの盛り上がりが始まります。もっとも、最近では毎年フライング気味に前倒し傾向を感じますが・・・(笑)それでもちゃんと守られる決まり事がいくつかあるのでトリビアとしてご紹介します。

【電飾は白熱電球色のみで、かつ点滅しない】

ドイツのクリスマスツリーはモミの木(タンネンバウム:Tannenbaum)の生木を固定し、電飾が施されるのが一般的ですが、この電飾は、一部の例外を除き「白熱電灯色」「点滅しない」と条例などで決められおり、大変清々しい印象を与えます。

右の本は、1980年に当時の日本航空ハンブルグ支店長在職中だった中村正軌さんによって書かれた「元首の謀叛」という直木賞受賞小説で、東ドイツの書記長ホーネッカーが・・・あ、ネタバレになるのでここまでにします(笑)日本人が書いたのに日本人が一人も登場しないということでも話題を呼び、その後ドイツ語にも翻訳され、テーマがテーマだけにこれも話題を呼びました。

その中の一節に下記のようなシーンがあります。

これはハンブルグのアルスター湖畔にあるアメリカ領事館の庭に立てられたツリーの電飾が「カラフルで、かつ点滅している」というのが州条例違反だと、警察がアメリカ領事館員にクレームしているシーンです。すなわち条例では「青電球は警察車両、赤電球は消防救急と決められ、かつ点滅させていいのは緊急行動時のみ」だと言っています。

その前段に書かれているザンクト・パウリ地区というのは有名なネオン街で(・・・多分そこではカラフルな点滅電飾は許されている)、アメリカ総領事館のツリー電飾は「色街・ネオン街」のケバいやつみたいでクリスマスにはふさわしくない!と言っているのです。

【クリスマスツリーは翌年1月6日までが一般的】

そもそもキリスト教国ではない日本では、正月準備のためクリスマスツリーは25日の夜から撤去が始まり、26日には影も形も無くなっており、余韻もなにもあったもんじゃないですが、ドイツでは「東方の三博士の祝日(Fest der heiligen drei Könige)」と呼ばれる1月6日を以てツリーを撤去するのが一般的です、一部には聖燭祭と呼ばれる2月2日とするところもあるようです。

【クリスマスソングを歌っていいのは待降節から1月6日の間だけ】

この期間以外にうっかりクリスマスソングを歌うと、えっ?と驚かれたり、不快な顔をされたり、Pssst!と注意されたりします。少なくともドイツ人にとっては、外国人だからしゃあないか・・・と看過ごせないエラーのようです。ご注意を!

ドイツのクリスマスソングは教会付属の合唱隊によって歌われることも多く、非常に美しい響きです。


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