業界各社 2024年度第2四半期決算発表状況:リコー

業界各社 2024年度第2四半期決算発表状況をチェックしています。遅くなりましたが今回はリコーです。

リコーも今回、年間見通しの修正をしていますね。各社とも下方修正が流行っているようですが、なにか流れが変わったんですかね?円安傾向は続いているので、経営環境は悪いようには思えないのですが・・・「決算短信」「説明会資料」にリンクを張っておきます。

売上高はそこそこ好調と見えますが、営業利益はなんとか黒字にして体面を保ったという感じです。リコーはこういう情報開示であまり小細工をしない企業と認識していますが・・・第2四半期は売上高 6,280億円に対し営業利益は 4.77億円、営業利益率で 0.08%なので、「調整前」の時点では営業赤字だったとしても不思議ではありません。

年間見通しのうち、売上高は上方修正しています。一方営業利益は 180億円下方修正しています。

この下方修正した数値が妥当なものかどうかの検証ですが・・・もし下方修正しなければ、下期に必要な営業利益は左のグラフのようになっていたワケです。これは流石に厳しいだろうとの感触の下で、180億円の下方修正した。その結果が上のグラフになります。

う~ん、難しいですね!これは今回なぜ大幅な下方修正が必要になったのかの中身を掘り下げないと見えてこないでしょう。

上の2枚の図は利益の変動要因の分解図で、左は上期、右は年間見通しです。いずれもクリックすると拡大します。

まず左の上期ですが「為替でちょっと(+74億円)救われて、プロジェクト費用に「-228億円」使ったということです。右の図は「上期を含んだ」年間見通しですが、何故か上期で +74億円実現した為替のプラス分が +50億円に減っています。これは最後に吐き出すつもりで「リザーブ」してあるのでしょうか?(笑)

そして右の図の年間見通しですが、プロジェクト費用が -330億円・・・ということは上期が -228億円なので追加で下期に 102億円使うということになります。プロジェクト費用・・・リコーは東証が求める株主価値向上施策を「株主価値向上プロジェクト」として公表していますが、実態としては俗にいう構造改革・・・ハード売りからデジタルサービス(イマイチ漠然とした概念ですが・・・)の企業への転換・・・の施策を纏めています。プロジェクト費用というのは「セカンドキャリア支援」などとされていますが、まあ普通の言葉で言えばリストラ費用でしょう。このあたりは会社で調整は可能でしょうが、減らすと構造改革が進まないというトレードオフで痛しかゆしですね。

その他に、上期では +20億円しかでていないプロダクトミックス(製品構成)差異からの利益が、年間では +240億円も出ることになっています。この辺に無理はないのでしょうか?

リコーに関してはこういう記事があります。この中でも触れられていますが、エフィッシモという旧村上ファンド系のファンドの株式保有が20%弱まで再び増えたとされています。同ファンドはコニカミノルタの株も5%ほど保有しています。この人達が何をしたいのかは不明ですが、気になる動きではあります。適切な情報開示が期待されます。相手がファイティングポーズをとると、相手から情報開示があるかもしれませんね・・・

✙✙ 2024年度 Q1のコメントはここをクリック下さい
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業界各社 2024年度第1四半期決算発表状況をチェックしています。まだ第1四半期なので開示されている情報は多くなく、進捗率をチェックする程度です。しかし、別の記事でも書きましたが、歴史的な為替と株価の乱高下に振り回された側面もあったものと想像されます。

コニカミノルタとは異なり、リコーの発表の前には乱高下が起こっていたので、それをどう扱うのかドタバタ有ったのではないかと想像します。一旦は円安レートに見直したのではないかと想像しますが、まあ「結果として」既定路線通りという線に落ち着いたのではないでしょうか?

だた、営業利益の進捗率が非常に低いのが気になります。何が起こっているのでしょう?第2四半期に要注目です。

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