drupa報告会:講師視点でペイを考える

8年ぶりにリアルで開催された「drupa2024」・・・その評価は様々ですが、まずは開催できたこと自体が成功であると思いますし、本当の真価が問われるのは「darupa2028」になるでしょう。さて、6月7日で終了した drupaは、その報告会が相次いで開催されるフェーズとなっています。一番早かったのは名古屋の印刷機材商社光文堂の「日本一早い drupa2024 報告会」というもので、スクリーンOBの4氏が講師を務められています。これを皮切りにあちこちで7月下旬あたりまで報告会が開催されるようです。

人によって、立場によって drupaの位置づけや見え方は異なるので、多くの報告会で様々な方が「drupaで見えたもの」を語るのは大変いいことだと思います。また、特に今回は円安の影響で出張規制が厳しかったり、自腹でもなかなか・・・という状況だったので、行った人が持ち帰った情報は普段にも増して貴重度が高いでしょう。ここではちょっと視点を変えて「講師陣に支払われるペイはどうなっているのか?」について書いてみます。

まずはメーカーや販売店などが主催する報告会:例えば・・・


このような報告会は、メーカーや販売店が自社のマーケティングの一環として行うもので、通常は参加費は無料で、講師が社内スタッフなら講演料は給料のウチなので支払われることはないでしょう。バリューマシンの宮本さんのような外部講師を招いて付加価値をつける場合には、メーカーとして妥当な講演料が支払われているものと想像します。

これとは別に印刷業界・プリント業界には数多くの「中立の団体」が存在します。あえて名前は出しませんが「★★(学)会」「●●組合」「▲▲連合」のような感じの名称が多いようです(笑)こういうところは、比較的安価な参加料(0.5万円とか・・・場合によっては無料)で参加者を募り、講師には超安価な対価(1万円とか1.5万円とか!)しか支払わないケースが多いようです。私はここが問題だと思っています。

プレゼン資料を作るのにどれだけのエネルギーが必要か?写真や見聞きした情報を整理し、聴くに堪える資料を作成するのにどれだけの時間コストと実コストがかかっているのか?それを考えれば 1万円や1.5万円の対価ではないハズ!

しかし、講師側としてはその団体の上部層が業界の大物だったり、会社の先輩だったり・・・などという事情で「断りにくい」という事情もあるようです。そんな非対称な人間関係に甘えて、安価な対価で済まそうとするのはいかがなもんでしょうか?

講師を務める人達というのはボランティア精神が旺盛で「それでも受けてしまう」ようですけどね。講師陣からは言い出し辛いと思いますので、私が代わりに言っておきます。正直申して「いやいやながら」なんですよ!

更に酷いのは「タダでやってくれ!」という依頼もあるようです。断ると露骨に嫌な顔をされる・・・まったく何を考えてるんだか(笑)滅びますね、そういう団体は(笑)

参加する方もする方です。無料~0.5万円程度という比較的安価な参加費の向こう側は、実は講師に甘えているだけという実態も知って頂きたいですね!情報を取るにはコストがかかる!安価な情報は所詮その程度のもの・・・

ちなみに OIJCも報告会を開催しました。OIJC会員企業の方は 1万円、非会員企業の方は 1.5万円としました。約 80人の参加者が集まりましたので総収入は計算すればご想像の通りです。そこから諸経費(会場費・諸雑費など:例えば遠方からおいで頂いた講師の方の交通費・宿泊費など)を差し引いて、残りを講師3人と場所のアレンジをしてくれた方の4人で均等割りとしました。

それがいいかどうかは勿論議論はあります。ただその対価に見合うだけの仕事をしようという講師側のモチベーションアップに繋がったことは確かで、それは参加頂いた皆さんへの提供情報の質の高さに結び付いたものと思っています。

印刷業界・プリント業界にある数多くの「中立の団体」の皆さん、是非お考え(直し)下さい(笑)

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【関西でも同じ枠組みでの開催を検討しています】

告知の仕方が悪かったのか、いまのところエントリーは5名です。最低催行人数は 20名です。参加の意思表明は下記のリンクからお願いいたします。参加者の方々には下記の資料をお渡しします。

  1.大野による報告レポート
  1.Hunkeler 中尾さんによる報告レポート
  2.Print&Promotion 中村さんによる価格情報・数量情報入りの報告レポート
  3.大野が撮影した全写真
  4.松井さんによる「気になった中国企業」の出展状況メモ

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