誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(51):★★★グライツ Greiz -3-

★★★グライツ Greiz -2- からの続きです

さて旧市街に向かって歩き始めます。山の上にあるお城まで歩くのはしんどそうですが、まあレジデンツシュタット(領主の居館のあった町)巡りをしているんだから、しゃあないですな(笑)

旧市街(Altstadt)は白エルスター川の向こう側のようです。駅に近いところにも郵便局(Postamt)など、そこそこ立派な建物があり歩きまわってみたい気もしますが、まずは旧市街を押さえておこうとお城の方向に向かいます。今回は旧市街あたりまでの風景をご紹介します。地図はクリックすると拡大します。

郵便事業というのはかなりのポジションを得ていたと思われ、どこの町にも「Postamt」という威風堂々たる立派な建物が遺されています。この町のも建物は立派ですが、裏庭の風情とか舗道の敷石の隙間から生えている雑草とか、「POST」の看板の壊れ具合からみて、今は使われている様子はありません。

一般にドイツの鉄道駅は旧市街の真ん中に設置されることは稀で、恐らく鉄道敷設当時の蒸気機関車の煙を敬遠したり、城壁を壊す必要とかの関係から、旧市街からは適度に離れた場所に駅が造営されたのだろうと推察します。日本だと、今度は駅を中心に「駅前商店街」などが発展していきそうな感じがあるのですが、ドイツの場合は必ずしもそういう一般的な傾向は感じられません。

そんな中で、この駅前の一角はそれなりに立派な建物群も残っており、一時は繫栄したような形跡を感じるのですが、東西統一後に寂れたという雰囲気があります。もうちょっと深掘りしてみたかったな・・・

殆どの観光スポットは川向うにある中で、Vogtlandhalleというイベントホールは先ほどちょっと気になっていた駅近の一角にあるようです。劇場やコンサートホールなどの機能を備えているようで、まあ「文化会館」的なポジションなのでしょう。

Vogtlandとは「フォクトランド(チェコ語Fojtsko、ラテン語Variscia)は、バイエルン、ザクセン、テューリンゲン、ボヘミアの国境地帯にある地域である。「フォクトランドとは、ヴァイダ、ゲラ、プラウエン、グライツの廷臣の領地であったところを指す。フォクトランドには約50万人の住民が住んでいる。」(独語 Wikipedia)とあります。

今日の行政単位としてのバイエルン、ザクセン、テューリンゲン、(ボヘミア=チェコ)に跨る地理的な概念のようです。

更に Vogtとは「歴史的な用語であるVogtは、Mhd. vog(e)t, voit, woith, vougt, Ahd. fogā̌tに由来し、最終的にはLat. advocātus「法律顧問、管理者、弁護士」(文字通り「呼ばれる/雇われる」)から派生したものです。一般に、中世から近世にかけての貴族階級の公家を指すことが多い。フランス語では bailli、英語では bailiffまたは reeveに相当する。12世紀以降に記録されているヴァイダ、ゲラ、プラウエン、グライツの廷臣たちは、遅くとも 1343年にはフォクトランド地方にその名を与えている。」とあります(独語 Wikipedia)

話は少し脱線しますが、我々世代のオールドカメラファンにとっては「フォクトランド」の派生形と思われる「フォクトレンダー(Voigtländer」という、かつてドイツに存在したカメラメーカーを連想してしまいますね。

日本語 Wikipediaにもその項目がありますが「1756年にオーストリアのウィーンに創業し、ドイツのブラウンシュヴァイクに移転した光学器械メーカー」で「創業者はヨハン・クリストフ・フォクトレンダー(ドイツ語版)(独: Johann Christoph Voigtländer、1732年 – 1797年)で、マイスターから独立し1756年にウィーンで計測器械と光学器械の小企業を開業すると、大学から注文を受け実験用レンズやガリレオ式望遠鏡、拡大鏡などを少人数で手工業生産していた。」とあります。

Von BlueBreezeWiki – Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, ソースはこちら

★★★グライツ Greiz -4- に続きます

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