東京パック 2022:写真速報(3)え?マイクロ波でインクを定着?

「東京パック 2022:写真速報(2)え?中国製の高速ワンパス段ボール機が稼働?」からの続きです。

今回はちょっと趣向を変えて、11月21&22日の JITF2022に出展予定のメーカーを採り上げます。東京パックはもちろん包装技術展ですが、ジャパン・インクジェット・テクノロジーフェアに出展するということは、やはりユニークな技術や側面を持ったメーカーばかりです。

【ゼネラル(GENERAL)】

大阪に拠点を置くインクメーカーですが、最近注力しているのが「マイクロ波で定着するインク」・・・え?マイクロ波って、電子レンジの?まずは下の動画をご覧ください(乾燥が感想に誤変換されているのは笑って見逃してください)

HPのカートリッジでフィルムにプリントしていますが、小さなファンの付いたアルミの箱がマイクロ波発生装置です。IRなどの熱定着とは異なり「オン・オフ」が容易なため、定着もオン・オフさせているデモです。熱は予熱が必要で、不要な時にオフにすると次に使う時にまたオンにしてもすぐには目標温度にはなりません。マイクロ波ではそれが可能なので大幅な電力消費の削減が出来るということです。

JITF2022でのプレゼン概要はこちらです。

【紀州技研(KGK)】

ご存知、和歌山のコーディング&マーキング機器のメーカーで、当該市場には安定した実績を誇っています。今回の目玉は CIJの安定稼働を実現した新製品とか・・・CIJにはあまり詳しくないのですが、長時間稼働させるとノズルに相当する部分にゴミのようなものが堆積しがちなところ、それを風で吹き飛ばして常に新鮮な状態を保つ・・・みたいな話と理解しました。

紀州技研のユニークなところは、自社でヘッドまで開発し、コーディング&マーキング市場向け製品に搭載するのはもちろん、新規のハイテク分野にも進出しようとしていることでしょう。右は先日、和歌山の開発部門を訪問した時に見かけたポスターで「ペロブスカイト太陽電池」の試作装置を開発しています。

この話は「こんなところにインクジェット」シリーズでも採り上げたものです。中島教授談:「ペロブスカイトの材料溶液の溶媒はDMFやDMSOのような溶解性のものすごく高い溶剤ですからヘッドもそれに対応して改造してるんでしょうね。紀州技研はヘッドを内製してるからできるんだろうな…と思って見ていました。KGKの内製ヘッドは薄膜ピエゾかと思いきや、なんとPUSHモードヘッドなんですよね。PUSHモードヘッドを内製するのはかなり大変ですよね。凄いと思います!」

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【エムエスティ(MST)】

京都の城陽市にあるコンパクトなプリント装置のメーカーですが「食品」「医薬品」など、安全性がクリティカルな分野に豊富な経験と実績があるのが特徴です。

「様々な熱転写技術を使ったプリンタを開発/設計してきた当社は、食品や医薬品業界を中心に実績を積み上げてまいりました。その顧客要求を実現するべく、新たにインクジェット技術の習得に挑戦しました。初めて取り組んだUVインクジェットプリンタを上市してから10年以上が経ちその成果と、新たに水性インクを採用したプリンタなどの新しい取り組みについてもご紹介させて頂きます。」

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【ユニオンケミカー プリントユニットのブランドは WOCCS】

枚方市にある老舗のインクリボンのメーカーですが、最近はフードプリンター向けインクと、コンパクトなプリントエンジンが事業を牽引しています。

非常に手軽に導入できるプリントユニット。溶剤系ですがサーマルヘッドで撃てるのがミソ!メディアギャップも 1cmくらいは可能。ここで白インクも投入したそうです。

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【トーヨーカラー】

会社(グループ)については最早説明の必要はないでしょう。ホールディング体制となった時に、色材・顔料・IJインクなどを纏めて分社したのが「トーヨーカラー」です。所謂、印刷インキのメーカーは、業界の要求仕様を熟知しており、またインクジェットを捉える視点がヘッドを主体としたメーカーとはちょっと違って非常に参考になります。今回の講演のトピックスは:

1.軟包装印刷デジタル化の動きについて
2.EBオフセット印刷はグラビア印刷代替になりえるのか?
3.水性IJ、UVIJ(EB)、トナー方式の特徴と課題

これは見逃せない・・・聴き逃せない!

JITF2022でのプレゼン概要はこちらです。


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なお、当日来場で懇親会参加なし(展示場視察とプレゼン聴講)の方は事前登録は不要です。当日は名刺を頂きます。名刺情報は出展社のみに提供されます。入場料はお釣の煩雑さを避けるため「3,000円(税込)」としました。当日現金にてお支払いください。

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