ITMA 2023(6):各社ブース ミマキエンジニアリング MIMAKI Engineering

【ミマキエンジニアリング MIMAKI Engineering】

★ どこか既視感のあるミマキのブースですが、5月にミュンヘンで開催された FESPAのものを流用しているとのこと。
★ いつものように、池田社長自ら顔出し・接客を行うお馴染みのスタイル
★ ユニークな新技術を他社に先駆けて取り入れるのもミマキの身上。今回も「Waterless」に絡めて3つの新製品・新技術を発表しています。プレスリリースはこちら。

★ 技術開発を行った日華化学エレファンテックとの協力関係でデモを行ったのが「ネオクロマト加工技術」。上の写真で、右にあるのは昇華転写で染色したポリエステルメディア、中央はそれに特殊な液体を浸み込ませ加熱することによって不織布に移動した色材、左はその結果として昇華転写前の状態に戻ったポリエステルメディア。下に日華化学による解説動画があります。ドイツ政府の環境関連の視察団にも注目されたようです。

★ オランダの製紙メーカー Coldenhove社の Senior Sales Executiveである Gijsbert Harmsen氏が手にするのは「顔料転写技術」でプリントしたサンプル集。転写紙による昇華転写プリントは既に十分に普及し、従来捺染の置き換えではなく新たな分野を切り拓きましたが、一言で申せばその顔料版です。Coldenhove社は前回の ITMA 2019(バルセロナ)でこの技術を発表していましたが、あれから4年かけてそれを改良してきたとのこと。

★ サンプル帳の各種サンプルを触った範囲では特段の違和感は無く、濃度もちゃんとしていると思いますが、各社の顔料インクの同様、市場での評価はこれからでしょう。これは「Textile pigment transfer printing SYSTEM」としてプリンター・顔料転写紙・ヒートローラーがセットとなっています。ヒートローラーは Monti Antonioというイタリアの有名メーカーとのコラボで、昇華転写用のものをベースに「加圧」できる機構が追加されています。

★ 顔料インク(機)が花盛りで、各社から様々な提案がなされていますが、布にダイレクトプリントするということで「ベルト搬送+地張剤使用」の機種が散見されました。地張剤はベルトに均一に塗布するにはそれなりの熟練を要し、また定期的に剥がして塗り替える際にはトルエンなどの強溶剤を使用するため、そのようなスキルと設備が既にある本格捺染工場では受け入れられても、昇華転写機などを運用している町のサインショップなどではまず受け入れられないでしょう。

★ その点、転写紙という紙にプリントするこのコンセプトは実質的に昇華転写と変わるところは無く、昇華転写ではプリントできない布種(綿・混紡生地など)にプリント可能ということでコンセプトには破綻はないように思われます。まあ、加圧機能を備えたヒートローラーが必要になるというのがどの程度のハードルとなるか、ならないのか・・・そのあたりがキーでしょうね。

お!Thomas Jefferson大学のテキスタイルデザイン学科の氏家教授だ!お久しぶりです!ミマキに勤務する右の女性は教え子だそうです!

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