- 2018-6-4
- イベント参加報告
繊維業界の所謂「川中」に関係する裁断機やミシンなどのハードウエア、生産管理ソフトなどのソフトウェアの総合展示会です。実はこの報告は今年のものではなく、昨年2017年5月14~17日にフランクフルトで開催されたものについて書いてあります。今年は5月22~24日に米国アトランタで開催されたようで、Label Expo と同様に、隔年で欧州と米国での交互開催されるものと思います。
この分野は蘊蓄を垂れるほどの知見は無いので、写真の羅列を主体としますが、いくつか新しい動きが出て来ていることはお伝えしたいと思います。
「川上」「川中」「川下」という区分についてはこのリンクをご参照ください
【工業用ミシン:JUKI】
【ミシン・その他ハードウェア】
【こういう人達も出展しています】
【DTMF:Digital Textile Micro Factory】
この展示会の約半年前、2017年1月に同じくFrankfurtで開催されたHeimtextilで発表・提唱された「DTMF:デジタル・テキスタイル・マイクロ・ファクトリー」。この時点でもまだ「とりあえず各工程のマシンを並べてみました」という感は否めず、また「川中」の人はその上流(染色・捺染・織物)への関心が薄いと想像されるので、どこまで来場者の心にヒットしたのかは不明ですが、DITF(ドイツ繊維染色機構)という公的機関がこういうトレンド作りの音頭を取っていることは注目に値します。
【WTiN:Future Textile Award】
英国の繊維業界インフォメーションプロバイダーであるWTINが、この展示会に合わせて。先進的な取り組みにアワードを出しています。デジタルプリント業界からはイタリアのインクジェットプリンターメーカーのAlephが受賞しました。
【まとめ】
知見が少ないため、気の利いた纏めにはなりませんが、感じたことは:
1.当たり前のようにデジタルというキーワードで様々な取り組みが始まっていること。展示会主催者によるデジタルコーナーや、公的機関による後押しが見られる。(DITF ドイツ繊維染色研究機構)
2.一方で「川中には全く川上・川下のニオイがしないなあ」ということ。デジタルへの取り組みが「川中だけのフォーカスでいいのだろうか?」。ネットビジネスが取り組んでいるように、既存の「川上・川中・川下」を超えてビジネスモデルを壊す試みは、既存の展示会からは出てこないのだろうか?
3.例えて言うなら…「膨大な数の書籍を扱う書店が、在庫管理システムを近代化しているうちに、書籍の流通はネットビジネスに奪われていた」ということにはならないんだろうか?ということ。
まあ、そう簡単に壊される産業とは思えませんが、「染色・捺染のデジタル化」と「受注・カスタマイズのデジタル化」との連携・統合の試みがもう少し力強く為されてもいいのではないかと思った次第です。