Nessan Cleary と企業訪問

日本で初めて開催したインクジェット・ビジネス・コンファレンス JIBC2020の翌週、2月3~7日は Nessanの希望で日本のインクジェット関係各社を訪問してきました。目的は「1.欧州販売現法ではなく、日本の開発・生産・事業拠点を見たい」「2.普段コンタクトのある欧州販売現法の広報スタッフに加えて、本社の事業・開発責任者や広報スタッフとの人脈を構築したい(■ 大野註:この記事の後半で補足します)」「3.DRUPAに向けて事前情報を収集したい」というものです。

関西への往復やドタキャンによる予定変更などあり、かなりドタバタして、訪問したかった企業を全てカバーできたわけではありませんが、訪問が叶った企業では社長や事業責任者の皆さんに大変丁寧に対応頂き、Nessanとしても大いに収穫があり親近感も強めたようです。ご対応頂いた幹部やスタッフの皆様、広報ご関係者の皆様にお礼申し上げます。

なお各社が DRUPAに何を準備しているかについては一部 NDAを締結して取得した情報もあり、また各社の販売戦略に関わることでもあるのでここでは触れません。ご了解ください。

(下記訪問順・文中の企業名など敬称略・略称あり)

【京セラドキュメントソリューションズ】

オフィスでの写真を撮り忘れました!内田技術部長、失礼致しました。しかし流石は関西人、ざっくばらんな立呑屋での楽しいひと時に Nessanも大喜びでした(笑)。pageに出展された TASKalfa Pro 15000cは近づいて写真が撮れないほどの盛況で同慶の至りです。

【Horizon 太陽精機】

昨年秋、京都「みやこめっせ」で開催された THINK SMART FACTORYという業界横断的なデジタルプリンティングのイベントで中心的な役割を担った後加工機メーカーの Horizon。これまでは「印刷機・プリンター」が主役であったところ、印刷したメディアを最終製品に仕立て上げる後加工機視点から前工程を含めた全体の流れを考えるという「逆転の発想」をコンセプトにしています。デジタル化で「前工程としてのプリンター」が小ロットやバリアブルに対応できるようになると、後加工機にもそれに対応できることが求められ、それが可能になった後加工機から再び全体を組み立てる・・・なるほどと思った次第です。

また、こちらの工場は「途方もない」という言葉くらいしか思いつかないほど凄い工場です。多くのセットメーカーが低賃金を求めて中国に生産拠点を移し大きな成功を収めたものの、その後の中国の賃金上昇や米国との貿易戦争、またやや想定外のウイルスなどの諸々リスク対応を迫られている日本の製造業の歴史を横目で見つつ、愚直に垂直統合を極めて、その累積の設備は凄いことになっています。上場株式会社のロジックしか理解・体感していない私の目からは「回収計算や稼働率を気にしていては設備投資なんかできない!」というオーナー企業の発想は大いに新鮮に映りました。堀社長と、ちょうど帰国中のドイツ現法の大江社長にご対応頂きました。

【SCREENグラフィックソリューションズ】

Horizonと並んで、昨年の THINK SMART FACTORYのイベントは京都の企業として大きな存在感を示した SCREENグラフィックソリューションズ。

定番の TruePressJet520シリーズも、ラベル機の L350UVシリーズも日々進化しており、更に DRUPAに向けていろいろな展開を仕込んでいる状況。柿田社長・中尾執行役員(連帳機事業部長)やスタッフの皆様からのプレゼンを頂きました。DRUPAに向けての種々の公式発表が楽しみです。

【尾池工業】

昨年の TheIJCで世界の舞台に打って出て以来、メタリックやパール顔料が国内外で大きな反響を呼んでいます。藤原粉体ビジネス SBU長に技術と事業展開状況概要をインタビューしました。

【ミヤコシ】

英国人の Nessanからは従来は OEM機を通じてしか見えていなかったミヤコシへの訪問が叶ったことで大いに理解が深まった様子。ちょうど DRUPAの出展機の準備で多忙の中、亀井取締役から今後の展開の考え方などについても開示頂きました。

【セイコーエプソン】

碓井社長直々に取材対応頂きました!しかし、やはりこの方に技術と開発哲学を語らせると熱い!自ら身を乗り出して PC画面を指しながら、ヘッドの開発史と、その各種バリエーションの意味づけを語り、ほぼ同時に開発に着手して二十数年目にして完成した大きな変位量を実現した薄膜ピエゾ Precision Coreの完成によって、戦略の転換(というか完成形としての戦略)が可能になったストーリーには思わず引き込まれました。(別途インタビュー記事を書く予定)

【シンクラボラトリー】

金曜日の午後、シンクラボラトリーを訪問。重田社長から、軟包装向け水性インクジェット機をプレゼン頂きました。同社も英国人ジャーナリストからは遠い存在だったので、グラビアのエングレーバーも含め、開発・生産現場を見ることが出来て大変喜んでいました。

なお長くなりましたので、冒頭の「2.普段コンタクトのある欧州販売現法の広報スタッフに加えて、本社の事業・開発責任者や広報スタッフとの人脈を構築したい(■ 大野註:この記事の後半で背景を補足します)」と書いた部分は別記事で補足します。

関連記事

ページ上部へ戻る