ビジョンを語るということ (1/3)

日経電子版を iPadでパラパラめくっていたら、派手なアロハを来たオジサンが・・・おや?この人どこかで会ったことが?という写真に出会いました。で、お名前を見て「お、やっぱりそうだ!」・・・竹内弘高さんじゃあ~りませんか♪(笑)

竹内弘高さん・・・出会ったのは 1994年なので、もう 27年も前のことです。それも、たった数回、この人の講義を聴いただけの関係なのですが、その講義はその後今に至るまで、自分の発想や行動様式に影響を与え続けている素晴らしいものなんです。今回はそれについて書こうと思います。

当時、大前研一氏が率いるマッキンゼー日本支社は「国際的に通用するビジネスマンを育成する」ことを主眼とした「MBI:Multi-national Business Institute」という、10年がかりのプロジェクトを運営していました。私は既に 2回のドイツ駐在を経験し「今更感」はあったんですが、たまたま閑職に就いていたので「刺激を求めて応募した」というノリでした(笑)

そのプロジェクトは、様々な業界から、原則として「1業種1社で 20社」x「年間 3人/社」x「10年間」=合計 600人を募集し、3か月単位で「日本で座学」・「米国を縦断しながら会社を設立する実践シミュレーション」・「欧州各所を巡り各国の誘致当局とのディスカッションなど」、それぞれ1ヶ月・計3ヶ月・・・というのがザックリした内容です

この社外研修プロジェクトに関しては別途改めて書こうと思いますが、竹内弘高さんの講義は、その中の一環で、日本での最初の座学(とはいえ米国の MBAプログラムと同様に「一晩で分厚い英文のケーススタディを読ませ、翌日それについて英語ディスカッションをする」などという結構ハードなものです。)の中に組み込まれていたものでした。

この講師陣は、やはり流石マッキンゼー!・・・と唸らせるような一流の方々が揃っていて「暗黙知・形式知で有名な一橋大の野中郁次郎氏」「企業研究で有名な青学の石倉洋子氏」「超面白い英語授業の遠山顕氏」などが、それこそ聴講生の我々を引き込むような面白い授業を展開していました。その中でも、当時ハーバードの教授だった竹内弘高さんの講義は群を抜いており、いまだにその内容を再現できるほどです(今回、それの再現を試みます)。

ハーバードや米国の大学って、先生が学生を評価するだけでなく、学生側からも「この先生の授業は役に立ったか?面白かったか?意味があったか?分かり易かったか?」みたいな評価・フィードバックがされるそうですね。そんな仕組みの中で生き残っていくためには、先生のサイドでもいろいろ考えて、工夫をすることも多く、切磋琢磨になるんでしょうね。

さて、ある日の授業のテーマは「ビジョンとは?ビジョンを語るとは?」というものでした。20人のクラスに対して、それはこんな問いかけから始まります。

「あなたの会社のビジョンってどんなものですか?」「あなたの会社の社長はご自分の、あるいは自社のビジョンを語っていますか?」

ビジョンを語るということ (2/3)に続きます

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