MEMJET:キヤノンとクロスライセンス?

MEMJETから「キヤノンとクロスライセンス契約の合意に至った」というプレスリリースが出ました。普通は双方から同時発表というのが一般的ですが、キヤノンからは(まだ)発表されていません。何かを感じさせる状況です。


■ Google翻訳させて少しだけ手を加えたものが下記です

MEMJETとCANONのクロスライセンス契約へ

サンディェゴ – 2018年4月4日 – Memjet(www.memjet.com)とCanonは、重要なセグメントとアプリケーションに関連して特許を相互ライセンスする長期的なグローバル契約を締結しました。 契約条項は秘密です。

MemjetのLen Lauer最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「Canonとの合意には喜んでおり、当社の技術価値を実証しています。 “この契約は、特許の知的財産ポートフォリオの幅と強さを示しています。 私たちは、比類のないスピード、シンプルさ、手頃な価格を提供する当社の技術革新を通じて、シングルパスデジタルインクジェット市場におけるリーダーシップの地位に引き続き注力していきます」

■ 私が前職のコニカミノルタでヘッドのビジネスに関わっていた当時からMEMJETというのは存在していましたが、顧客でコンペになることはまず無かったので、正直申してあまり注意を払っていませんでした。これを読まれている大方の皆さんがご存知のように、Silverbrook氏という元キヤノンオーストラリアの社員が立ち上げたベンチャーからスタートし、カイザー財団から巨額の資金を導入したり、そこと係争したり、膨大な数のパテントを出願したり、なにかと話題の「謎のヘッド」という印象でした。

■ 登場した当初には「オフィス向け高速卓上プリンター」や「シングルパスで『メディアが、流れ落ちる滝のように出てくるワードフォーマット機』」などの動画が公開され、それなりに話題を呼びましたし、その用途分野別に事業ユニットが設立されて、私の業界友達の何人かの米国人もそれに関与していました。今は落ち着くところに落ち着いて、シングルパスに特化したヘッドをビジネスとしているようです。

■ 「・・・ようです」と書く程度の知識しかありませんが、展示会では「MEMJETヘッドを搭載した」とするラベルプリンタや、XEROXがシングルパスのCAD出力プリンタに使われるなど散発的な採用情報はあります。またキヤノン関連では、傘下の旧オセが ColorWave900 というプリンタに採用され、YouTubeに動画も公開されています。これはキヤノン本体の開発とは別の旧オセによる開発のようです。

■ キヤノン本体でシングルパスといえば、drupa2016で発表した Voyeger を思い出します。その後特に発表は無いようですが、今年のIGAS2018あたりには何か進展がアナウンスされるのでしょうか?

■ 今回のMEMJETによるクロスライセンスの発表は「CANONと締結」と書いてあり「CANON EUROPE(旧オセ)」とは書いていなところから、キヤノン本体との契約締結と想像されます。キヤノンにMEMJETとクロスする必要がある事情でもあったということなのでしょうか?MEMJETの発表でも「…契約条項は秘密です」とあり、キヤノンは(まだ)何も発表していないことから、なにやらそのこと自体が憶測を呼んでしまいそうですね。

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