エプソンの大研究(4)補足

エプソンの大研究(4)で引用した Marco Boer氏の基調講演・・・約1時間の動画ですが、Fiery案件に触れた部分は 45:15あたりからです。この中でひとつ重要な指摘を要約していなかったので補足します。

意訳しますと:

Fieryが販売する DFEに関する情報・・・どのメーカーのどの機種がどこに何台売れたか・・・というような情報は、今後は EPSONに全て筒抜けになる。これってどう考えても気持ち悪いよね?

以前から言っていますが Fieryというのは「囚人のジレンマ」のような企業で、どこかに買われた瞬間、競争状況が変わってしまう=どこも買わない・買ってはいけない・買うとその価値を失う・・・そんな企業だった訳です。ソフトウェアの会社がここを買う分には構わないですが、ハードをやっている企業が買うとそういう問題が生じる・・・というのは誰もが分かっていた話です。

エプソンはひょっとしたら自分が何を買ったかよくわかっていなかった?いえいえ、いくら何でもエプソンのような慎重な会社がそんな初歩的なミスをするはずがありません。

でも産業用インクジェットの世界でも、今後は Fieryを使うと自社の実績が全てエプソンに筒抜けになってしまうんですよ!それって嬉しいですかねえ?例えば分かり易い例として efiインクジェットにとって、それって嬉しいことですか?

だから Marco Boer氏は「あと何社かの買収をして、全部エプソンの傘下で一大グループを形成して、その中に Fieryを位置付けるなら納得できる」と言っているのです。私は図に乗って「efiインクジェットを SIRISから貰ってしまえよ、だってこれからは敵になって efiインクジェットを攻撃することになるんだぜ」と言ってます。

え?efiインクジェットは重要顧客としてキープする?じゃ、なんのシナジーなんですか?やはりあの概念曼荼羅はなにもわかっていないように思われますが・・・シナジーって漠然とした言葉で思考停止してませんか?それとも、私がなにか勘違いしているんだろうか?

関連記事

ページ上部へ戻る