中小企業 新ものづくり・新サービス展(12月11~13日 於ビッグサイト)2/2


1/2からの続きです

さてやっと本題ですが、今回は東京・大阪会場およびウェブのみの出展を合わせ 1,324の出展社があったようで、この中から「インクジェット」でキーワード検索したところ 18社がヒットしました。ただ私が知っている出展企業で、この検索にヒットしないところもあり、また出展しなかったところもあるはずなので、実際にこの補助金でインクジェット機を導入したところはもっと多いと想像されます。

時間が限られていたので、訪問できた数社のみをご紹介します(順不同・社名敬称略)

【技光堂】シルクスクリーンとインクジェットのハイブリッドで高品位なプリントを実現
この方法は InPrintでドイツの MARABUも提案していましたし、東伸工業のテキスタイルハイブリッド機 IUGOでも使われる手法で、一つの可能性だと感じます。

金色のベタ部はスクリーン、カラー画像部はインクジェット

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(参考)独MARABU社のハイブリッド印刷

(参考)東伸工業のハイブリッド印刷(布)

【ビケングラフィック】製版業からの転業
デジタル無版印刷の流れの中で製版業から、製版技術で蓄積した経験値を活かした UVインクジェット機でのダイレクト印刷への転業事例。確かに単に UV機を購入してプリントを始める人に比べて、固有のノウハウは活かせるかと思います。また中小企業でこういう業容転換に実際に資する補助金はアリですね。

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span style=”font-size: 12pt;”>【グリムファクトリー】多様な素材への UVインクジェットプリント<

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【トライ】ノベルティグッズの ODM

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【インクマニア】オリジナル衣服のセミオーダーサービス

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【オーキッド】刺繍と昇華プリントの融合

 

【エイチ・エム・エヌ】

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【ユニオンケミカー】可食インクを用いた食品や錠剤などへのプリント
以前、会社を訪問してレポートしました

UV光で蛍光色に光る可食インクを展示。食欲をそそるかどうかは別として、話題性はありますね(笑)もちろん可食です

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以上、「インクジェット」のキーワード検索でヒットした18社を全て見ることが出来なかったのは心残りですが、個別に深入りすると興味深い事例が数多くあります。「製版業の経験値を活かした転業」「本業だったシルクスクリーン印刷にインクジェットを加えたハイブリッド」「刺繍と昇華プリントの融合」「サイン業からの業容拡大」・・・等々、確かに中小零細いう規模では数百万円のインクジェットプリンタの投資は大きな負担で、それを補助金が背中を押す形で実現するならば、それはそれで十分な意味があるのかもしれません。

「補助金」という言葉自体にアレルギーがあり “No pain, no gain!” 苦労なくしては利益はない・・・自腹を切る覚悟が無ければ事業なんて成功しない・・・と、ずっと主張してきましたが、ちょっと考えさせられるものがありました。

ただ、装置を入れただけでは事業になった・成功したとは言えません。個々の企業が業態転換・業容拡大をしたことを世の中に認知してもらい、受注に繋がり、それがリピートして拡大し、資金も回り始める(補助金分は投資回収する)・・・そこまで行って初めて成功と言えるわけです。その為に資するのはこういう展示会でいいのか?結構、地方に根差した中小企業が多い印象ですが、そこが新しい業態で受注するにはネットや SNSでの認知向上の方が効果的では無いのか?そういう方面の支援の方が効果的では無いのか?

主催者の全国中小企業団体中央会(全国事務局)や、後援の「経済産業省・中小企業庁・一般社団法人日本経済団体連合会・株式会社商工組合中央金庫・株式会社日本政策金融公庫・独立行政法人中小企業基盤整備機構・日本商工会議所・全国商工会連合会・独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)・独立行政法人国際協力機構(JICA)・都道府県中小企業団体中央会(都道府県地域事務局)」といった錚々たる組織に、そういう感覚はあるのか?・・・ちょっと気になった次第です。

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