中小企業 新ものづくり・新サービス展(12月11~13日 於ビッグサイト)1/2


ビッグサイトで開催された「中小企業 新ものづくり・新サービス展」というのに行ってきました。特定の分野にフォーカスしているわけではなく、全産業分野を網羅しているというもので、その割には参観者が少なく、なんとも形容し難い不思議な展示会でした。

それもその筈、経産省が行った「ものづくり補助金」を受けた中小企業がその成果を出展するというものだったのです。皮肉な言い方をすれば、交付した補助金がこのような成果を生んでいますよ!という経産省サイドのアピールの場でもあるのでしょう。だた、公平に申せば、確かにそれで方向転換に踏み切れた中小企業も数多くあるわけです。その中で、インクジェットに絞って駆け足でいくつかのブースを巡ってきました。

会場イメージ(ビッグサイト西館)公式サイトから

まずは公式サイトトップページの主催者(全国中小企業団体中央会(全国事務局))による導入説明から:

中小企業 新ものづくり・新サービス展とは?

「ものづくり補助事業」の活用で開発した新製品・サービス・技術等、全国の中小企業が挑戦を繰り返し、工夫を凝らした様々な分野の成果が一堂に会する展示商談会です。

試作を繰り返してやっとたどり着いた製品加工、全く新しい発想で取り組み実現した素材開発、中小企業だからこそ実現できた細やかなサービス等、中小企業の果敢な挑戦の成果が集積されています。

「事業を加速させる新しいアイディアに出会いたい」「調達コストを抜本的に見直したい」「課題となっている加工技術を解決したい」など、中小企業の底力で生み出される成果を活用したい方々にはぜひご参加いただきたい、入場無料のイベントです。

開催の目的

ものづくり補助事業に取り組んだ事業者が、ものづくり補助事業を活用して開発した新しい製品・サービス・技術等(補助事業の成果)の販路開拓・拡大支援のために、本展示商談会(本展)を開催します。
補助事業の成果に係る新規顧客の販路開拓のため、本展を通じた商談機会の提供により、補助事業者の事業化促進支援を行います。
加えて、補助事業の成果を一堂に展示することにより、既存顧客の販路拡大、市場創出、企業間連携の実現、情報収集等のビジネスチャンスの提供を行います。
補助事業者の「事業化」支援を通じて、中小企業・小規模事業者の経営力強化・生産性向上を図るとともに我が国経済の活性化につなげます。
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主催者は全国中小企業団体中央会(全国事務局)ですが、後援には「経済産業省・中小企業庁・一般社団法人日本経済団体連合会・株式会社商工組合中央金庫・株式会社日本政策金融公庫・独立行政法人中小企業基盤整備機構・日本商工会議所・全国商工会連合会・独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)・独立行政法人国際協力機構(JICA)・都道府県中小企業団体中央会(都道府県地域事務局)」といった錚々たる組織が名を連ねています。

入場は無料で、趣旨からすれば出展も無料?とすると、ビッグサイトの西館のワンフロアを3日間貸切りのイベントなので、かなりの税金が投入されたと推察されます。初日の午前中に小一時間しか視察できなかったのですが、もう少し集客を多くする工夫があっても良かったのかなという気がします。ただ昨年の報告書を読むと東京会場に3日間で 34,000+の来場者があったようなので、さほど心配する話ではないのでしょう。

多分、私がよく行くサイン系の展示会の様に、ミマキやエプソン、HPや EFIといったメジャーなプレーヤー達が大きなブースを構え、派手なバナーやカラフルなサンプルを見栄えよく並べ、プロのプレゼンターが流暢な製品説明をしているというのとは完全に対極にあり、全ての小間が同じサイズで、音楽やプレゼンも無く、商業イベントのニオイがしなかったというのが違和感の正体と思われます。まあ、これは「税金を使う以上、全ての出展社を『公平に』」というのが趣旨でしょうし、出展社は基本は中小企業なわけで、サイン業界のメジャープレーヤーと比較する方が間違っているのでしょう。

出展社の所在都道府県と業界分類

これも昨年のデータですが、これだけ広範な業界及び都道府県から、654社もの中小企業が、全て同じサイズの小間で展示を展開している・・・何か日本の縮図の一断面を見る思いです。勿論、それは間違いなく日本の縮図の一断面に違いありません。ちなみに、ドイツやアメリカで、国が補助金を交付した中小企業を、バイエルン州やヘッセン州、アリゾナ州やコロラド州といった各地から集めてその成果を展示させる展示会って存在しているのでしょうか?

折角補助金を受けた企業が出展し、多くの出会いの可能性を提供するというのが趣旨なら、各企業が本来属している業界のコマーシャルベースの展示会に出展し、その出展費用を支援する方が理に適っていないか?これだけの規模の展示会を賄うだけの予算(財源)確保しているのだから・・・ちょっとそんなことも考えてしまいました

2/2に続きます

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