為替と株価の乱高下:IR・管理担当者泣かせだったでしょうねえ・・・

インクジェットに絡む各社の第2四半期(一部は第2四半期)の決算発表状況を追いかけています。そこに突如勃発した為替と株価の乱高下!それも歴史的と言われるレベル・・・これは各社の IRや管理担当者泣かせだったことは想像に難くありません。

これは「進捗率、売上高と営業利益の年間予想の変動の有無、為替前提の見直しの有無」の表ですが、真ん中に黒い太線を引いてあります。

すなわちコニカミノルタを含んでそれ以前の発表は「乱高下前」のものです。キヤノン・理想科学・エプソンは「為替を(この時点では現実大きく乖離した数字を)円安方向に妥当なレベルで見直すことにより、そこで余裕をみていた売上高・営業利益をそれぞれ上方修正しています。おそらくまだまだ隠している分はあると思われ、次回以降に小出しに上方修正するつもりだったのでしょう・・・知らんけど(笑)

唯一、コニカミノルタだけは(あの時点で)かなりの乖離があった為替前提を見直していません。非常に不自然ですが、なにか他に悪化要因が隠れており、それを為替を見直さないことでカバーしたのだろうと推測します。ここでコニカミノルタが発表翌日に控える乱高下を読んでいたとはとても考えられません。

↑↑画像はクリックするとスライドショーになります。

そしてその後、土日を挟んで僅か3日ほどの間に為替と株価は歴史的な乱高下を引き起こします。SNSなどを見ていると、これを巡っての個人投資家の悲喜こもごもがアップされていたりします。個人的には・・・まあ、大した話ではないのでやめましょう(笑)あの富士フイルムまで大幅に下がったのは肝を冷やしましたが、その後反発して、ついでに底値で買い増して、まあまあというところです(笑)

それより、大いに悩んだと思われるのは、昨日(8月6日)に発表を控えていたブラザー工業とリコーの担当者ではないでしょうか?今日(8月7日)に発表を控えている富士フイルムも悩んでいるかもしれません。

最初の表を再掲しておきます。

ブラザーは見直しが間に合わなかったものと想像されます。何故なら為替前提を実勢よりも円安に見直しているからです。ただそれでも年間売上高・営業利益の見通しを変更せず据え置いています=ということは「円安に見直しても、それを食いつぶすなんらかの不安要因を抱えている」ということかも知れません。

一方、リコーは「結果として」実態に近いとこころに据え置いています。これが事前に読めていたとは思えないので、乱高下が起こってから据え置いたということではないでしょうか?それでも売上高も営業利益も年間見通しは据え置いています。本当は妥当なレートに見直して多少なりとも上方修正したかった(するのが妥当)だったところ、急遽為替も見通しも据え置いた・・・ということでしょうか?不安要因としては営業利益の進捗率が僅か 9%しかないことで、これはこの後負担になってくるかも知れません。

さて本日発表の富士フイルムは「考える時間があった」と思われます。どういう見通しを発表するのか?興味津々です(笑)

いずれにしても「為替前提を見直した各社は、「現時点での実勢レートより甘い」レートで残り期間を見ていることになります。これを次回の第2四半期でどう見直してくるのかも大変興味があります。特に次回が第3四半期の発表となるキヤノンはどう出るのでしょうか?この期に及んでもなお「社内向けのガンバレツール」としてこの決算対外発表の数字を使うのでしょうか?これも大変興味のあるところです。

ご担当者の皆さん、ご苦労様です!

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