ITMA 2023(4):各社ブース エプソン EPSON

【エプソン EPSON】

★ 最大の専有面積、2階建てで出展費・工費合わせて Euro 2mil.(約 3億円:未確認)とのことで大きな存在感
★ 出張者もプリンター関係 60人+コンポ事業関係 10人、計 70人との情報
★ テキスタイル分野に関して、エプソン開発のマシン、買収した Robustelli開発のマシン、ファッションデザイナーとのコラボ、コンセプト機の展示など、現状で見せられるものはすべて見せた!という感じで、その技術力と展開力を十分に見せつけた印象!

★ 加えてヘッドビジネスの部隊も展示・参戦しておりオール・エプソンの力を見せた印象・・・まあ、それに3億円(未確認)かけるか?というのはあるけれど・・・KORNITのファッションショーにもそれなりにコストはかかっていると想像され、日本企業でも展示会にこのくらい経費投入できる大胆さ・企業としての本気度・それを可能とする好業績などはポジティブに評価したいと思います。

★ これはエプソンの出展機リストですが、これを含む全出展機約 70機種の全リストを販売します(元コニカミノルタ・プリンター開発部長松井さん(縞猫商会社長)調べ)

★ あまり褒め殺しもどうかと思われるのでバランスを取る意味で(・・・いや、別に取らなくてもいいんだけどさ(笑))少し気になる点を書いておけば、これだけの事業・組織を統括するボスの固有名詞が聞こえてこないなあ・・・ということですかね。いや、その昔「N響(NHK交響楽団)は指揮者が居なくてもちゃんと演奏できる」なんて評されたことがあるように、別にボスの顔が見えるかどうかは事業の成功に関係ないのかもしれないんだけど・・・私は違うタイプなので、そこが気になるというだけです。

★ 私の場合は会場を4日間、毎日ぐるぐる巡ってブース訪問や、思わぬところで企業の事業責任者の方に遭遇したりしていましたが、他社のブースで同社の幹部に遭遇するということも無かったように思います。情報収集担当と思しき若手の方は何人か見かけましたが・・・こういう時って、部下から面展開で収集した情報を聞くだけではなく、自ら巡回して他社ブースに斬り込んでいくいいチャンスなんですけどね・・・

★ あと「エプソンの開発したマシン」と「買収した旧 Robustelliが主導で開発したと思しきマシン」は明らかにノリが違っていました。どっちが良い・悪いという問題ではありません。キヤノンによる OCE買収、ブラザー工業による DOMINO買収、スクリーンによる INCA買収(現在は AGFAに売却)・・・インクジェット業界でも、私が関与するようになった 2000年以降にいくつかの大型企業買収が行われましたが、買収側・被買収側の持つ開発のリソースやその方向性の統合は「言うほど簡単ではない」と見えます。

★ これは「親子関係にものを言わせて無理矢理統合すればいい」という問題では決してありません。その力加減を間違うと現地の反発を招き、最悪は技術屋や幹部の集団離職を招いたりして、何を買ったのかわからない事態に陥るリスクもあるからです。エプソンの場合はそのあたりをどう・どなたがリードしておられるのでしょうか?あるいはリードなどしていないのでしょうか?

特殊なインクをディスペンサーのような射出装置で追加プリントする技術。もちろんその分速度は遅くはなるが、インクジェットだけでは実現出来ない効果を付与することが可能

ピアノブラックに塗装された小型機の試作機!かつて私もカチオン UVインク搭載の試作機をピアノブラックに塗装して drupaに出展したことがあり、個人的に懐かしい(笑)

YouTubeに ITMAの紹介動画がアップされています。イタリア語であることと、旧 Robustelli開発の特殊インク搭載機を紹介していることから、旧 Robustelliが主導して制作したものと思われます。00:10~00:13あたりに小川社長と、説明をしているスタッフが映っています。社長も来られてたんですね。ご挨拶する機会を逸しました。

こちらは英国のデジタルテキスタイル業界の大物 Debbie McKeegan女史によるインタビュー動画です。英語なので是非ご覧ください。

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