誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(54):★★ツェアプスト Zerbst / Anhalt -8-

★★ツェアプスト Zerbst / Anhalt -7- からの続きです

Markt広場に向かいます。Alte Brückeを北の端まで歩くと Fuhrstrasseという広い通りに出ますが、それを渡った先に広がっている地域がマルクト、その向こうに教会が見えています。

戦前の写真を見るとマルクト広場の両側には立派な建物が立ち並んでいます。こういう建物が全て灰燼に帰し、元通りには復元されず一部は空き地になっているため妙に広々というか寒々と感じられます。また戦前の写真では正面奥の方、教会の手前にルネサンス風のファッサードを持っている建物が見えますが、あれが本来のラートハウスでした。現在の写真ではそれも無くなっており、また教会の塔の屋根の形も変わってしまっています。

↑↑ 地図や航空写真によると、立ち位置の★印から見たマルクト広場は細長い逆三角形をしています。戦前は広場の中央に立つと奥にはラートハウスと教会、両側には建物群に囲まれた重厚な閉空間だったことが想像されます。
↓↓ 今そこに立ってみると旧東独時代に建てられた安普請の建物と廃墟となった教会・・・しかももはや閉空間ではなく一部は空き地として残されているため、妙にスカスカの、敢えてポジティブに申せば「開放的な」空間となっています。

「基礎となるのは、市町村の枠組みの中での自主的な合併によって形成されたものである。
市町村圏改革(2006-2011)。
2010年1月1日以降、24の村と56の地区を有し、町の面積は467.3 km2に拡大した。このため、ツェルブストは、面積ではドイツで最も大きな都市のひとつとなっている」・・・とあります。

確かにデータを見ると、下右のマクデブルク(ザクセン=アンハルト州の州都)に比べて市の面積は 2.5倍くらいありますが、人口は 1/10以下です。従って人口密度は 1/20以下に過ぎません。

↑↑ 現在 ↓↓ 戦前

「Neues Haus」は1540年頃に建てられた。この建物は、ルネッサンスの新しい精神に対する芸術的なオマージュであるだけでなく、ツェルブストの市場交通のために、そのホールや部屋に 100以上の屋台を備えた商人や交易の家として、まさに経済的必要性を持っていたのである。市場側には、ルネサンス様式の壮麗な門構えが燦然と輝いていた。右側はブリュダーシュトラーセ方面の景色。

↑↑ 右手には「Hotel zum goldenen Löwen」があり、その前に馬車鉄道の軌道が写っています。この軌道は戦後、瓦礫を積んで撤去する貨車の為に使われました(Trümmerbahn)。この軌道跡は今も残っています。

★★ツェアプスト Zerbst / Anhalt – 9 – に続きます

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