IGAS:Hall 3 リコー・富士フイルム・ミヤコシ・ホリゾンなど

ブース配置画像が縦長なので横位置に回転します。

[リコー]

遂に姿を現したリコーのインクジェット高速枚葉機「RICOH Pro Z75」(プレスリリースはこちら)。水系顔料インクなので乾燥工程が不可欠な分、やはりかなり巨大です。詳細は Nessanが熱心にインタビューしていたので、彼の記事がリリースされてからそちらをお読みいただければと思います。私なりに凄いなと思ったのは、紙の搬送系を印刷機メーカーと組まずに、自力開発でモノにしたこと。これまでにに B2枚葉機を開発したコニカミノルタ(KM-1は小森コーポレーションと、富士フイルム(JetPress720)やキヤノン(幻のBoyager)はリョービと組んだわけですが、リコーは独自開発とのこと。

実際にベータテストなどを経て発売に至るまでにはまだ時間がかかるようです。来年中にという話だったと思いますが、自分の経験として、この手のマシンのラスト・ワンマイルの厳しさを考えると drupa2024あたりと想定すべきかもしれません(あ、甘やかしているわけではないので、リコーの開発者の皆さん、誤解なきよう(笑))

インパクトが大きい外観の「RICOH Pro Z75」もさることながら、インクジェット屋の私視点では、あの「ザ・電子写真カンパニー」のリコーが「ザ・インクジェットカンパニー」に大きく舵を切ったように見受けられることです。リコーの先端技術研究所の展示は「表示するインクジェット」に留まらず「機能するインクジェット」というコンセプトを掲げ、数多くの非印刷系の分野を提示しています。研究所がこれだけオープンに目指す方向を具体的に展示・開示するというのは画期的でしょう。

電子写真技術を事業化している企業はリコーの他にもキヤノン・コニカミノルタ・旧富士ゼロックス・東芝TECと、いずれも IJヘッドを有し、いずれも何らかの形で産業用インクジェット分野に事業参入しています。が、明確にここまでインクジェット技術を今後の事業展開の主軸・主役として打ち出した例は無いように思います。個別各社のインクジェットのポジションやその背景についてはコメントを控えますが(ホンマは言いたいこと、一杯あるんだけど(笑))・・・インクジェット屋の私としては大いにエールを送りたいと思います。

ただし、その方向転換はいうほど簡単な話ではないのは、大方の皆さんも感じていることと思いますし、私も身をもって体験しています。ま、これもここで書けないような話も多いので・・・リコーの皆さん、呑みに行きましょう(笑)

[富士フイルム]

富士フイルムは乾式電子写真方式の「Revoria Press™ B2(仮称)」技術展示しました。こちらにコンセプト動画があります。これも Nessanが熱心にインタビューしていたので、その記事をお待ちください。自分的には「インクジェットは電子写真ができることをやっても意味がない。電子写真にできるなら、それはそれでやってもらって、できない分野をやる」・・・そんな考えで(当時は)電子写真ではできない(できても超高難易度)といわれていた B2対応の KM-1に取り組んだのですが・・・なんだ、電子写真で B2ってできるんじゃん!という想いです。

んじゃ、富士フイルムの JetPress 750 と、この Revoria Press B2はどうすみ分けるのか?説明してくれた方によれば「インクジェット機はとにかく最高画質狙い、電子写真方式は対応メディアの多様性」とのことでした。その場では一応納得したのですが・・・お客さんの要望って、そんなにキレイに分かれるものなんですかね?それと、電子写真でこれだけのものを開発できるリソースってかなり凄いと思うのですが・・・インクジェットと電子写真の両方にリソースを配分できる・・・リソースリッチな富士フイルムならばこそという贅沢な話が羨ましくもありますね。

↑↑ 私にはこの「オフセット用紙自動セット・捌きロボット」がツボにハマりました(笑)
↓↓下は奥村印刷の紙の食器「beak」・・・折り紙のコンセプト

[ミヤコシ]

ミヤコシは、ご存じ亀井さんが「出版業界の本作りがこのように変わりつつある」というテーマを熱演!また障害者の方のアートの権利を購入して展示機のデコレーションに活用していました。

[ホリゾン]

後加工機・製本機メーカーのホリゾンは、あらゆる印刷物は最終製品形態になる前に必ず後加工機を通過する(印刷だけでは完結しない)というシンプルな事実を強みとして、あらゆる印刷機・プリンターとコラボして、そのワークフローが繋がる・繋ぐというスマートファクトリーの核となって事業を展開しています。Hall 6にはそういう各社相乗りでの SMART FACTORYのブースが設置されていました。

[SITECH(台湾)]

台湾のインクメーカー「SITECH」:OIJC主催の JITF2022にも出展していました。

IGAS:Hall 1 小森コーポ・コニカミノルタ・ブラザー・理想科学・京セラDS
IGAS:Hall 2 SCREEN GS・キヤノン・花王など
IGAS:Hall 5 エプソン・HPなど
IGAS:Hall 6 ミマキ・オーシャン・杭州宏華・コダック・ハイデルベルクなど
IGAS:Hall 6 企画コーナー

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