IPI ( Industrial Printing Integration ) 2022の講演にみるインクジェットの最新動向

5月 18~20日、ドイツのデュッセルドルフにて IPI ( Industrial Printing Integration ) 2022というイベントが開催されました。テーブルトップ&講演会(出展者によるプレゼン)&ネットワーキングがセットになったリアルイベントで、インクジェット関連の企業や学術団体から全部で 52件の出展(講演)がありました。その講演テーマや内容からインクジェットの進むべき・進みつつある次の方向・動向が垣間見えてきます。

講演テーマや概要は個別にアップしたページをご参照頂ければと思いますが、私の眼には「典型的な画像・イメージのプリント」から「機能の実現」「導電性」「プリンテド・エレクトロニクス:PE(Ptented Electronics)」「積層造形:AM(Additive Manuafacturing)」などが印象的で、それを実現するための「超高粘度対応ヘッド」「高粘度インク」などの講演が目に留まります。三日目は「繊維質基材(紙・布・不織布など)でプリンテド・エレクトロニクスを実現するための試み」についての報告とデモが行われました。

また、既に広い分野で実現されている分野では「パッケージング分野とその安全性」「水系インク関係やその乾燥システム・技術」の講演が目立ちます。UVもありますが、何年か前に大きな勢いがあった時期からはトーンが下がり、水系が勢いづいている印象です。

もうひとつ大事なことは、こういうテーマが「有償のコンファレンスで(競合も参加する場で)ほぼオープンにプレゼンされ、議論されている」という事実というか、環境というか、文化なのです。日本には展示会に付属する「無償の講演会」があり、高名な方が講演されることも多いですが、正直申して聴講者サイドの質や真剣味は(無償であるが故に)イマイチな気がします。

また、学会員限定という閉じた学会や、会員企業は実質的に無償という勉強会などはありますが、いずれもアカデミアに偏り過ぎていたり、同じようなテーマの焼き直しだったりという感じで、実ビジネスとの関係が切れている・浮いている印象が否めまません。このイベントは事業サイドと研究開発・アカデミアサイドが融合しており、経営者と切れた「浮いた存在」ではないことが特徴です。私は、この環境・文化を日本に持ち込みたい・立ち上げたいという思いで「Japan Inkjet Technology Fair 2022:ジャパン・インクジェット・テクノロジーフェア 2022」を企画している次第です。また私は山形大学インクジェット開発センター(オープンイノベーション推進機構)の産学連携教授も拝命しており、このイベントを通じてアカデミアとビジネスの橋渡し・関係強化も図っていきたいと考えております。

5月18日(初目)の TRACK 1はこちら
5月19日(二日目)の TRACK 1はこちら
5月18日(初日)の TRACK 2はこちら
5月19日(二日目)の TRACK 2はこちら
5月20日(三日目)の PAPERTRONICSはこちら

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