誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(32):★★★アイレンブルク Eilenburg -10-

★★★アイレンブルク Eilenburg -9- からの続きです

アイレンブルクの章の最後に、ここまでで拾いきれなかった情報や動画などを纏めておきます。

Eilenburg um 1650.jpg
左の山上に Burg Eilenburg、右に城壁に囲まれた旧市街 Von – Sammlung H.-P.Haack, Leipzig, Gemeinfrei, Link

まずここの町の名前の由来となったアイレンブルク城(Burg Eilenburg)を調べておきます。ビールを呑んだ店から Leipziger Strasseをそのまま数百メートル歩けば到達できたのですが、今回は雨が降りそうで、足を伸ばせなかったところです。

右は 1952年のもの

Wikipediaによれば「アイレンブルク城 Burg Eilenburg(Eulenburgとも)は、北ザクセン州の同名の町、アイレンブルクにある城郭群で、かつてはリメス・ソラビクスの領域にあった。9世紀に建設されたと思われるスラブ人の要塞は、10世紀後半にイルブルク城の王朝の中心地となりました。千年紀の終わり頃、ヴェッティン王朝Haus Wettinの所有となり、その後、オイレンブルク王朝(貴族)に由来する名前が付けられました。現在、ザクセン州の地域史において重要な役割を果たしているこの城は、1200年頃に建てられたレンガ造りの 2つの居住用タワー、同時期の環状の壁、いくつかの堀、そしてバロック様式の管理棟で構成されている。第3タワーは年齢不詳の天守閣で、1972年に部分的に崩壊した。遺跡はその後すぐに爆破解体された。」とあります。

Die Eilenburg mit Amtshaus, Mauerturm, Bergfried und Gefängnis (v. l. n. r.), 1952
Von Deutsche Fotothek‎, CC BY-SA 3.0 de, Link

ヴェッティン王朝やオイレンブルク王朝(貴族)については深入りするとキリがないので今回はしませんが、リメス・ソラビクスの領域って気になりますよねえ(笑)

「Sorbische Mark 或いは Sorbenmarkとも呼ばれる Limes Sorabicusは、フランク帝国とその東側に定住するソルブ人との間の国境地帯を指し、遅くとも 9世紀半ば頃にはフランク帝国の分割やヴェルダン条約によって作られ、9世紀末にはすでにその重要性を失っていました。フルダ年代記では 4箇所で簡単に触れられているだけである。」・・・アイレンブルクのあたりは、その昔フランク王国が分割相続された際に領土を取り決めたヴェルダン条約で、東フランク王国とスラブ系民族の協会に有ったということになるのでしょう。下の地図の黄色部分に Sorbenとありますが、この一帯(今日のドイツ語で Lausitzと呼ばれる地域)には Sorbenソルブ人)というスラブ系少数民族が住み Sorbischソルブ語)という西スラブ系の言語が少数言語として現存しています。
Treaty of Verdun - Sorbs (Sorben).png
Von Kirnehkrib – Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, Link

次にアイレンブルク-オスト(アイレンブルク東)についてです。元々はソルブ語に由来する Kültzschauという名前の村でしたが、現在はアイレンブルク市に組み込まれ「東地区」となっています。

Karte
Von mario – selbst erstellt OpenstreetmapsCC BY-SA 3.0 de, Link

Eilenburg Plattenbausiedlung am Regebogen.jpg
Von Joeb07 – Eigenes Werk, CC BY 3.0, Link

「1930年代、1960年代、1970年代、1980年代に、対応するインフラを備えた新しい住宅地が建設された。1990年に共産主義が崩壊した後、この地区は特に縮小と移住に悩まされた。2010年頃から、住民の数は安定してきた。」と Wikipediaにあります。工業化の進展で住宅が供給され、旧東独時代もプラッテンバウがしきりに建てられたけれど、統合後は産業が衰退し、ここから移住していった・・・そういう感じです。

Deutsche Celluloid-Fabrik Eilenburg Alfred Dickert um 1930.jpg
Von Alfred Dickert (1878–1942) – Stadtmuseum Eilenburg, Ausstellung Decelith, Repro von Joeb07, Gemeinfrei, Link

↑↑ これはアイレンブルク -4-に出て来た工業化時代創業した Eilenbuger Chemiewek (ECW)、後の Deutsche Celluroid Fabrik(DCF)の絵ですが、旧東独時代も稼働していたその工場は廃業解体され、今日 Eilenburg Ostにその管理棟のみがのこってベンチャー企業などを入居させています ↓↓

Eilenburg ECW.JPG
Von Joeb07 – Eigenes Werk, CC BY 3.0, Link

↓↓ 「Dar volta de carro na cidade deEilenburg」(アイレンブルクの町をドライブ)というポルトガル語のタイトルがついた意味不明の動画ですが、アイレンブルクの周辺や市内をドライブで見せてくれます。2:15あたりに上の ECWが見えます。3:30あたりで町の中心部に到達します。4:15あたりで右手にお城が見えます。このあたりの雰囲気がよく出ています

↓↓ Eilenburg-Stadrundgang 街中を撮っています

↓↓ なんと!こんな田舎町に来た日本人なんてまずいないだろうと★★★だったんですが・・・甘かった(笑)

★★★アイレンブルク Eilenburg の章を終わります
シリーズ:誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte に戻ります。

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