ミヤコシ:新製品内覧会(7月28日@宮腰デジタルシステムズ)

梅雨が明けて連日猛暑が続き、コロナ禍も第五波が立ち上がりつつあり、なにやら活動量が(更に)低下している今日この頃ですが、ミヤコシの新製品内覧会にお声がけ頂き、秋田に出かけてきました。この時期にリアルのイベントを開催するのは、主催者としてもそれなりに大きな決断だったこととは思いますが、こういうものはやはり「リアル」ですね。

昨年初にコロナが広がりつつある中で、リアルイベントは展示会もコンファレンスも全滅し、オンラインイベントが様々な形でトライされました。在宅勤務でのオンライン会議なども含めて、そのメリットが広く認識されるに至りましたが、一方で限界も見えてきたり「オンライン疲れ」も出てきて、改めてリアルイベントの存在意義が見直されています。

今回は広い会場に限られた人数と感染対策も万全で、少なくともワクチンを2回接種済の私には特段のリスクを感じることはありませんでした。マシンのスペックや機能詳細は印刷業界メディアの皆さんの報道にお任せするとして、私は前日から大曲入りして、PODiジャパンでも広くオンデマンド印刷を推進する立場で活躍中で、ミヤコシの取締役でもある亀井さんに密着取材・・・あ、ソーシャルディスタンス取材(笑)を行った内容をメモします。


今回初お目見えのマシンは「MJP20EXG」・・・6月15日付でプレス向けにはリリースが配信され、同社のサイトにも既に掲載されています。

まずパッと見で非常にコンパクト!広々としたホールに設置されていたので小さく感じるという効果を補正しても、実際コンパクトで、全長がこのクラス最小の 8,110mm、このコンパクトなタワーの中に、両面用にプリントユニットが2台、乾燥機が2台収められています。

もう一つのポイントは、豊富な前後のオプションや加工機を連結することにより、インラインで多彩な芸当が可能ということでしょう。

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コンパクトな筐体といえば思い当たることがあります。もう何年も前のこと、オリンパスが理想科学にオリフィスの油性インクのワンパス・プリントエンジンを供給していた頃、オリンパスも独自にそのエンジン2台を縦に並べてコンパクトなタワーに収めたロール機のプロト機を 2008年の drupaに展示していました。油性インクなので乾燥機は不要で、電話ボックスよりコンパクトな筐体にちょっと驚いたものです。まあ、速度はオリフィス相当で、画質も油性インクということで当時なりの限界はあり、私には市場性があるかどうかまでは分かりませんでした。

その後、オリンパスはプリンター事業から撤退し、理想科学に事業と技術を売却し、このプロトタイプも理想科学に移管されたものと思われます。右の写真は 2016年の drupaでの理想科学ブースで、かつてオリンパスのインクジェット事業部門長だった正川さんが、理想科学がコンセプト展示したそのプロトの発展形を説明してくれているところです。

世の中、ランダ・ミヤコシ・コダック・スクリーン・リコーなどロールメディアのプリンターメーカーが「より速く、よりパワフルに、より(価格も)高く(笑)」とオリンピックの標語の様に大艦巨砲主義に走っていたなかで、明らかにニッチを狙っていると見えました。

drupaの会場で、この頃はまだミヤコシの人ではなかった亀井さんにたまたま出会ったとき「こういう市場って、必ずあると思うよ・・・」と呟いたことを憶えています。それから 5年、オリンパス時代のプロトからは既に 13年も経っており、印刷業界を取り巻く環境も様変わりしているわけで、大艦巨砲主義が必ずしも唯一無二の方向ではないことが明らかになって来ています。亀井さんとしては、あの当時から温めていた構想を実現したということでしょうか?

気になるのは価格ですが、明示はされなかったので想像するしかありません。特段の新規先端技術を持ち込んだわけではなく、ミヤコシがこれまでに確立した技術を軸にしたということで、開発費は押さえたのだろうと推測しています。それよりも、確立したこなれた技術を使うことで、プロダクション機に一番重要な安定運用を確保し、オプションや加工機との連結で多彩な芸当ができる・・・そんな方向を目指したのだろうと推察すると、本体価格もかなりアクレッシブなレベルを考えているのではないでしょうか?

巨漢がパワーで圧倒する相撲ではなく、小柄でもいろんな技を繰り出せる・・・舞の海・炎鵬・翔猿・照強的なマシンということでしょうか?知らんけど(笑)

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この項続きます

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