誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(25):★★ノルトハウゼン Nordhausen -12-

★★ノルトハウゼン Nordhausen -11-からの続きです

HSBのレールバスを Altentor駅で降りて、Bochumer Strasseを真っすぐ南下し、ホテル経由で駅に向かいます。道幅は広く、立派に舗装されてはいますが、所謂「シティセンター」的なところからは外れているのでちょっと枯れた感じです。旧東独時代の名残を求めて「痕跡探し Spurensuche」をしてみます。

旧西独の「ボーフム Bochum」は東西ドイツ統一を機に姉妹都市となりましたが、1886年からノルトハウゼンで市長を務めていた Karl Hahnが、1892年にボーフムの市長に就任したという縁からと思われます。旧東独時代、ここは Ernst-Thälmann-Straßeと、戦前のドイツ共産党幹部の名前が付けられていましたが、これを機に改名したものです。

旧東独時代には、戦前からの歴史的な通りの名前の多くが、社会主義活動家・左派政治家などの名前に改名されました。東西統一後、それをキープする派と、元に戻したり新たに命名したりする派と、町によって温度差があるようです。ノルトハウゼンは後者のようで、改名前後の通りの名のリストがあります。

航空写真で Buchumer Sreasseの西側には HSBと DBの線路があります。東側には町の外堀のような感じで「ツォルゲ Zorge」という川が流れており、その東側(内側)に旧市街が広がっています。旧市街に比べ通りが直線的で、比較的近代に計画的に作られた一角ということでしょう。

↓↓ これは旧東独時代の建物ではありません。Altentorの駅から目立つ巨大な建物で、建築様式からは工場か兵舎(Kaserne)のイメージです。現在は医療・介護関係の教育施設として使われているようです。

↓↓ 「Hermann Sommer Branntwein-u.Likörfabrik」と書いてあります。ブランデーやリキュール類の蒸留所だったようです。この名前で検索してみるとこういうの(右の画像)がヒットしました。

これはテューリンゲンのデジタル博物館から引用したものですが、それによると 1946年、まだ旧東独が建国(1949年)する前のもののようで、その時期(ということは戦前から)のは蒸留所として事業を行っていたものと思われます。→→

↓↓ これは同じ建物の Am Salzgraben / Buchumer Strasseの角に面したところで、所謂「Eckekneipe(角の居酒屋)」です。白いレースのカーテンが真っ白であるところから、ちゃんとメンテナンスをして営業はしているものと思われますが、私が歩いた午後早くの時間帯は営業している様子はありませんでした。入口のランプは「Einbecker Pils」という旧西独の有名なビールですが、それは下のメニューにはありません。

↓↓ しかし、なんなんだろう、この値段・・・撮影日は 2019年 5月ですよ!0.5Lのビールが円換算で 140円?

↓↓ こういう土色の壁も旧東独に独特ですが、東西統一後30年が経って漆喰が崩壊していないところを見ると、リノベーションしたものかと推測されます。それより、図案化されたパターンの装飾物が旧東独を想わせます。

↓↓ 「コンクリート板建築(Beton-)Plattenbau」と呼ばれた旧東独の安普請のアパートです。まあ、これなどは壁やベランダ周辺がしっかりリノベーションされていますね

↓↓ このネオン看板が絶滅危惧種ですね

↓↓ これは旧東独時代の建築ではなく、アールデコでしょうか・・・

↓↓ こういうブロック塀は旧東独独特です。残っていてくれて有難う(笑)

↓↓ DBのノルトハウゼン駅

★★ノルトハウゼン Nordhausen の項を終わります
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