誰も知らないドイツの町 Unbekannte deutsche Städte(0):新シリーズを始めます

年が改まって、ドイツに関して新シリーズを始めようと思います。ちょっと大袈裟なタイトルですが「誰も知らないドイツの町」(笑)

このサイトの読者の大方の皆さんは、出張やプライべートで一度や二度はドイツには行ったことがあるのではないかと想像しています。主要な州の州都や大きなメッセが開催される町、デュッセルドルフ・フランクフルト・ハノーファー・ケルン・ミュンヘン・ハンブルク・ベルリン・シュトゥットガルトあたり・・・。また観光では、ローテンブルク o.d.Tを初めとしたロマンティック街道の町々や、ライン下りコースのコブレンツや川沿いの小さな町などでしょうか・・・

これは私が行ったことがある町を Google Map上にプロットしたものです。イタリア・スペイン・ポルトガルにも行った町は結構ありますが、フランスと同じレベルにまばらなので省略しています。やはり、ドイツが好きなこと・興味の対象がそこにあることなどから、ドイツや旧ドイツ領・ドイツ語圏の町が圧倒的に多いです。

何を考えて行く町を決めているのか?・・・実は、それほど深く考えてはいません(笑)。一応、出張の合間の移動で行き易いところ、自分がこれまでまだ行ったことのないところ、そして(実はこれが結構なモチベーションなのですが)・・・恐らく、日本人がこんなところには来ないだろうな、自分がこの町に来た初めての日本人ではないか?などという不順な動機もあります(笑)。

という訳で、多分このサイトの読者の皆さんが行ったことが無いと思われるドイツ・ドイツ語圏・旧ドイツ領の町を中心にご紹介していこうと思います。

とはいえ、ざっくりランクを付けると・・・

★(一つ星)  :まあ、地名は聞いたことがことがあるけど、仕事で行くような場所ではなく、わざわざ観光で行くにしてもちょっと不便だし、でもドイツ人には結構知られているレベル
★★(二つ星) :日本人には殆ど知られていないと思われるけど、ドイツ人にこの地名を言えば「ああ、あそこね!ということは、あれを目的に行ったんだね」くらいには知られているレベル
★★★(三つ星):日本人にはまず知られていないと思われ、大方のドイツ人にも「どこ、それ?なんでそんなところに行ったの?」的なレベル

こんなランク付けで紹介していこうと思います。ちなみに、★★、★★★で紹介する町に行ったことのある方は是非ご連絡ください。ドイツオタク話で盛り上がりましょう(笑)

さて、先に「何を考えて行く町を決めているのか?・・・実は、それほど深く考えてはいません(笑)」と書きましたが、全く何も考えていないわけでもありません・・・当然(笑)。一応、下記のような関心事に沿ってはいます。

1.旧東独・旧ドイツ領:旧西独は「まあ、いつでも行ける」みたいな感覚があります。また、社会主義経済で疲弊し、西側の発展と差がついてしまい廃墟寸前だった旧東独の町が、外見だけ妙にキレイになってしまわないうちに記録しておきたい・・・そんな思いもあります。また、ソ連の支配下に有った旧東独にはソ連様式の建物が残っているというのもそそられるポイントです。というわけで旧東独、ドイツ語でいう Neue Bundesländerの町は優先度が高いです。中でも、戦争で爆撃や砲撃によって破壊されずに遺った町は最優先です。

Nauen(ナウエン):ベルリンの西方約40km、ベルリン中央駅から電車で40分ほどのところにある町

2.レジデンツシュタット Residenzstadt:ドイツは歴史的に「領邦国家」と邦訳される Territorialstaatenという小国家群の集合体でした。その各々に領主諸侯がおり、中心となる町に領主の館を構えていました。そこを Residenzstadtと言います。家系が途絶えたり、戦争で破壊されたり、政治体制が変わったりして全てがその全盛期の姿を留めているわけではありませんが、やはりそういう町は今日でもそれなりに重要な意味を持ち、また博物館なども残っていることが多いので優先度は高いです。

Detmold:Lippe侯爵領の城館。Lippe侯爵領って、そもそもどこ?(笑)

3.近現代史のモニュメントのある町:ドイツ帝国時代に建造された巨大なモニュメント、バウハウスの建築、第三帝国時代に建造されたナチスのモニュメントや収容所、そして戦後ソ連の影響下で建造されたモニュメントや建築・・・それぞれの時代の特徴的な建築・建造物はゾクゾクするほど魅力的です。

Dessauのバウハウス学校

4.煉瓦造りのゴシック Backsteingotik(バックシュタインゴティーク)一般に南ドイツの教会は漆喰壁で玉ねぎ状の屋根、北ドイツのは煉瓦造りで尖塔がある・・・そんなザックリした印象があると思いますが、教会に限らず建物全般が煉瓦造りが多いのが北ドイツです。中でも、それを装飾的に組み合わせた Backsteingotikと呼ばれる特徴的な城門や建物がドイツ北部からポーランド北部に分布しており、心惹かれるものがあります。リンクを張ったのはドイツ語の Wikiですが、画像が豊富にあるのでイメージが湧くと思います。

Marienkirche Prenzlau2.JPG
Prenzlauのマリエン教会 Von Michael SanderEigenes Werk, CC BY-SA 3.0, Link

こういう自分の興味の対象で、実際に行ったことがある町をご紹介していきます。本来は系統的に整理して順にご紹介したいところですが、なかなか系統的に整理するという作業をする時間が取れていません。本当はそれを老後の楽しみにと取っておいたのですが、まだ「老後・老境」に入るのを先延ばしにしている段階です(笑)。という訳で、思い付き・その日の気分でランダムに、当面は不定期にご紹介していこうと思います。

第一回目はザクセン州の東南部、ナイセ川に面するポーランドとの国境の町「ゲルリッツ Görlitz」をご紹介します。

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