BECKHOFF:(寄稿)プラスチックやゴム用加工機で「つながる」を実現する「EUROMAP」とは何か


ドイツのファクトリー・オートメーション企業(こういう表現でいいのか?)BECKHOFF AUTOMATION社の技術営業マネージャーの篠田さんから興味深いメールを頂きましたので、ご本人の了解を得てここにご紹介します。

私はロボットや制御・通信の専門家でもなんでもないのですが、要は「工場で使われるロボットの制御方法やユーザーインターフェイスは現状では各社バラバラ(そうやって、その独自性でメーカーが顧客を囲い込む手段化しているのかも?)であるところ、そこを超えて共通通信規格を作る」・・・そういう動きと理解しました。

インクジェットとは直接関係はないと思いますが、こういう考え方は産業用インクジェットに持ち込める局面はあると考えますし、Industry4.0の動きの一つとして知っておくのもいいかと思いご紹介する次第です。

大野様
お世話になります。

題記の件ですが、インクジェットの世界とは関係ない話題ではあるのですが、本日からデュッセルドルフで開催される世界最大の射出成形の展示会「K show」に合わせて、いま射出成形機業界で一番ホットな話題になっている「インダストリ-4.0に対応するための共通通信規格」である Euromapについての解説記事を私が書いて昨日の昼にMonoistで公開したのでお知らせします。

記事はこちらから:プラスチックやゴム用加工機で「つながる」を実現する「EUROMAP」とは何か

これまで(現在でも同じですが)各社が自社の独自規格の変数設定や通信方式で開発をしてきたため、ユーザが自分の製造ラインで射出成形機や周辺機器を使おうとしてもそれぞれバラバラの設定テーブルを準備していちいち個別に司令を出さないと使えない、という状況が続いています。

インダストリ-4.0が目指す「つながる工場」のコンセプトからは程遠い状況であるため、これを改善するためにオープンな通信規格としてメーカーの垣根を超えた通信を行うために策定されたのが OPC UAをベースにした新しい通信規格 Euromapというわけです。

既に色々な業界で実績のある OPC UAをベースにしているため相互接続を行う上で技術的ハードルは比較的低く、かつある意味で OPC UAはインダストリ-4.0のデファクトな通信仕様なので、射出業界でも今後広がるだろうと考えられています。

共通仕様を業界超えて捩じ込んでいっていつの間にかデファクトにする、というのはドイツのお家芸ですね。

とはいえ、そうすんなりと対応できるものでもないので(笑)、そこは餅は餅屋で Beckhoffが通信ゲートウェイを準備しますよ、というのが我々にとってのビジネスケースになっているという次第です。

お時間のある時にさらっと目を通して頂けると幸甚です。よろしくお願いします。

ベッコフオートメーション 篠田

BECKHOFF日本法人 川野社長のインタビュー記事
BECKHOFF社サイト
昨年のハノーファーメッセのメモ(BECKHOFFの紹介があります

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