- 2026-7-29
- トピックス
業界各社の決算状況を見ていきます。キヤノンの場合は暦年決算なのでここで開示されたのは 2026年度のQ2決算(上半期中間決算)ということになります。
増収増益、営業利益率は 10.1%と立派な成績に見えます
売上高・営業利益とも上方修正しています。もっとも営業利益はQ1で下方修正し、年初見通しの数字(479,000百万円には届いていませんが)
売上高はさほど目立ちませんが、営業利益はQ2に対前年で 35.2%増となっています
年間見通しー上期実績=下期に必要な数字・・・を見てもさほど無理があるようには見えません。まあ、普通に達成するということなんですかね・・・
しか~し、なんか腑に落ちないんですよね!
円安容認どころか、経済政策失政によって円安に誘導してるんじゃないかと思われるくらいの歴史的円安(検証はしてませんが、実効レートでは$1=360円時代に匹敵とか・・・)という環境下で、こんな伸びでいいんですかね?営業利益はまあいろんな要因があるからさておいてもトップラインの売上高は全世界の販売現法の売上高を円換算して足し算する(だけ)って話でしょう?販売現法は現地通貨建てで、それに対して円がどんどん弱くなっていってるわけですよね?それを微増程度の伸びで「過去最高の売上高」なんて説明していていいんでしょうかね?
時間が無いので Geminiとチャッピーに訊いてみたところどちらも同じような見立てだったので Geminiの見解を下記に引用します。
————
キヤノンの2026年第2四半期(4〜6月)および上期決算は、表面上の数字(増収増益・過去最高売上)ほど手放しでは喜べない不穏な構造を孕んでいます。株式市場が発表直後に大幅反落(一時5%超の下落)という冷や水を浴びせた理由を含め、厳しめの視点で4つの懸念点に整理しました。
1. 利益上振れの主因が「特殊要因」と「円安」頼み
第2四半期の営業利益は前年比+35.2%の1,592億円と急増していますが、その中身は実力値とは言えません。
-
- 米関税還付のゲタ: 米国追加関税の還付金により+580億円の利益押し上げがありました。これは一過性の特殊要因です。
- 為替の追い風: 円安効果によるプラスが+289億円あります。
- 本業の稼ぐ力はマイナス: 「数量増減・プロダクトミックス(▲47億円)」「販売価格低下(▲37億円)」「コスト・経費(▲88億円)」など、本業の営業活動ベースではむしろ前年から足を引っ張っています。
2. 通期上方修正の「下期ハードル」が異常に高い
通期の営業利益見通しを4,560億円から4,650億円へ「90億円」上方修正しました。しかし、これには強い警戒が必要です。
-
- 前提レートのさらなる円安化: 下期の為替前提を「1ドル=150円→155円」「1ユーロ=175円→180円」に5円ずつ円安方向へ見直したことで、+341億円の増益効果を織り込んでいます。
- 実質的な「下方修正」: 関税影響の好転(+375億円)と為替(+341億円)で計716億円ものプラス要因を得ておきながら、通期予想は「90億円」しか上がっていません。
- 下期の数量・コスト悪化: これは「中東情勢影響による売上正常化遅れ(▲346億円)」や「メモリ価格高騰(▲60億円)」、さらには各セグメントの数量減少(▲371億円)といった深刻な事業環境悪化が好転要素をほぼすべて食いつぶしていることを意味します。下期の数量挽回計画は極めてキツいものになります。
3. ビジネスユニット別の明暗が激しい(カメラ一本足打法のリスク)
イメージング(カメラ・NWカメラ)が前年比売上+17.7%、営業利益+78.7%と爆発的に牽引していますが、他部門の落ち込みをカバーする構造になっており危ういです。
-
- メディカルの失策: 4月に実施した「生産システム切り替えの不具合」と「調達先の被災」が重なり、受注があるのに製品を納品できないという自社都合主因の減収減益(営業利益▲38.5%)を叩き出しています。
- インダストリアルのディスプレイ低迷: パネルメーカーの投資先送りにより、インダストリアル全体で売上▲15.3%、営業利益▲28.7%と大きく沈んでいます。半導体露光装置(KrF)の増産期待だけで下期に反転できるか、市場は懐疑的です。
- プリンティングの頭打ち: オフィス複合機は欧米市場の低迷が続いており、新製品投入による下期の挽回計画(通期売上+2.0%想定)は市況に対して強気すぎる印象を与えます。
4. 在庫の急増とキャッシュフローの悪化
バランスシートとキャッシュフローにも歪みが出ています。
-
- 在庫が過去最高水準へ: 6月末の在庫金額は9,615億円(3月末比で+478億円、前年同期比で+820億円)まで積み上がっています。会社側は「下期の販売拡大に向けた戦略的在庫」と説明していますが、下期の販売計画が未達に終われば、一転して滞留在庫となり将来の価格下落や評価損リスクに変わります。
- 営業キャッシュフローの見通し引き下げ: 通期の営業CF見通しは、前回計画の6,000億円から5,450億円へ「550億円」も引き下げられました。純利益見通しを引き上げたにもかかわらず営業CFが減るということは、上述の在庫(棚卸資産)増加による資金の固定化が重荷になっている証拠です。
総括
今回の決算は「円安」と「関税還付」という外部要因の防護壁によって守られたに過ぎません。下期は防護壁が一枚剥がれる上に、前提レート(155円)より円高に振れた瞬間、業績は一気に未達リスクに晒されます。





































